【専門家の目｜栗原勇蔵】強豪カナダ相手に個の局面で上回る

　森保一監督率いる日本代表は、10月13日に行われた国際親善試合でカナダ代表に4-1で快勝した。MF三笘薫（ブライトン）が不在、MF久保建英（レアル・ソシエダ）も出番がなかったなかで、ゴールを決めて存在感を示したMF中村敬斗（スタッド・ランス）を元日本代表DF栗原勇蔵氏が称賛している。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部）

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　日本は三笘が体調不良で招集を辞退し、久保もベンチスタートのまま出番は訪れなかったなか、開始2分に右サイドから崩し、こぼれ球に反応したMF田中碧（デュッセルドルフ）のミドルシュートが決まり幸先良く先制した。

　その後、GK大迫敬介（サンフレッチェ広島）が相手を倒してPKを献上するも自らPKをストップ。前半39分にはFW浅野拓磨（ボーフム）にボールを渡し、中央へのパスにMF南野拓実（ASモナコ）は追い付かなかったものの相手のミスを誘ってオウンゴール。さらに前半42分、浅野がドリブル突破からペナルティーエリア内で中村にラストパスを出すと、冷静に中村が蹴り込み3-0とリードを広げた。

　日本の勢いは衰えず、後半4分にも田中が右足ボレーで蹴り込んでこの日2点目。終盤に1点を返されたものの、4-1と勝利を収めた。

　日本代表OBの栗原氏は、FIFAランキング44位で、2026年のワールドカップ（W杯）開催国でもあるカナダ相手にゴールラッシュを見せた森保ジャパンについて、「今の日本はどのメンバーでも、びっくりするくらい結果を出す。ほぼ言うことはないんじゃないでしょうか」と切り出し、「カナダは決して弱くはなくて、インテンシティーも高い。日本は三笘や久保が出ていなくて、フルメンバーというわけでもないなかで快勝を収めた。チームとしての層が厚くなったし、森保監督の手腕も大きいと思います」と見解を述べた。

　そのなかで、2列目の左サイドで先発出場（後半16分に交代）した中村を栗原氏は高く評価する。

「中村は独特のリズムがある。キレ、力強さもカナダ相手に全く負けていなかったし、中村を見て、カナダを上回っているなと感じました。今回は三笘が体調不良で活動辞退でしたけど、代わりになる存在は作っておかないといけない。三笘とタイプが全くかぶるわけではないので、現段階では、三笘から少しリズムを変えようという時に十分代わりになる選手の1人だと思います。三笘がちょっと抜けすぎてしまっている存在だから、探りながらどうにかいい形を見つけたいところです」

　中村はカナダ戦で左足を痛め、捻挫で精密検査を受けることになったが、三笘以外のタレントもいるということを証明したと言えるだろう。