誤審騒動のプレミアリーグ、クロップの発言が反響拡大 三笘同僚も発言「リバプールだけが再試合を求めているわけではない」
トッテナム対リバプールの一戦で起こった誤審騒動に英代表DFダンクも発言
イングランド1部プレミアリーグの第7節、トッテナム対リバプールの一戦で起こった誤審騒動の反響は大きい。ブライトンのイングランド代表DFルイス・ダンクも過去起きた自チームへの誤審を引き合いに、この件について口を開いた。
問題となったのは前半34分、0-0で迎えたリバプールの攻撃シーンだ。FWモハメド・サラーのスルーパスに抜け出したFWルイス・ディアスがネットを揺らしたが、VARチェックのうえでオフサイドの判定で取り消されている。
試合後、この判定についてPGMOL(Professional Game Match Officials Limited/イングランドにおける審判員の統括組織)が誤審と認定。VARを担当していたダレン・イングランド氏は主審のサイモン・フーパー氏が得点と判定していたと勘違いしており、映像でオフサイドがなかったことを確認できた時点で「チェック完了」と報告。フーパー氏はこれを自身のオフサイドの判定が支持されたと受け取り、トッテナムのフリーキックで試合再開を命じた。
現場の主審とVARの意思疎通のミスから生まれた誤審を、PGMOLは「重大な人為的ミス」と認定。「このミスに至った状況を全面的に検証する」と、今後の改善への全力を尽くすと声明を発表している。また、10月3日には当該シーンの音声データも公開される異例の事態となった。
後日、ユルゲン・クロップ監督は「おそらくそれは実現しないだろうけど、唯一の解決策は再試合であるべきだと思う」と持論を展開。この言葉がさらなる反響を呼んでおり、ブライトンのDFダンクも「難しい状況だ。リバプールだけが再試合を求めているわけではない」と主張しているという。
英地元紙「リバプール・エコー」によると、ダンクは昨シーズンのクリスタル・パレス戦(2月12日アウェー開催/1-1)で同僚DFペルビス・エストゥピニャンのゴールが認められなかった判定を引き合いに「振り返ってみると、昨季に我々のクリスタル・パレス戦でもオフサイドの判定での間違った得点取り消しがあった」と過去を回想する。
昨季のエストゥピニャンのシーンでは、間違ったオフサイドの確認ラインが引かれた人為的ミスが起こっていた。またほかにもブライトンは、今年4月のトッテナム戦(アウェー開催/1-2)でも日本代表MF三笘薫が敵陣ペナルティーエリア内で倒されたシーンがノーファウルに。しかし後日、こちらもPGMOLから「PKだった」とクラブに謝罪が届いている。
ダンクは「昨シーズンに戻って、ヨーロッパリーグではなくチャンピオンズリーグに出場するために、勝ち点を追加してあの試合をやり直すのか。難しいことだよ」と所感を述べる。
そのうえで「サッカー界には、今話題になっているような事件がたくさんある。審判も人間だからミスをする。サッカーのピッチでもミスはある」とレフェリーへの一定の理解を示しつつも「VARはその手助けをするために導入されたものだが、それでもまだ起きてしまう。クロップが言っていることは理解できる」と嘆いた。