浦和タイ代表MFが見る母国と日本の“強度”の違い「どれだけJリーグで通用するのか」 ACLで待望のデビュー戦ゴール

ゴールを決めた浦和のエカニット・パンヤ【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】
ゴールを決めた浦和のエカニット・パンヤ【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】

ハノイ戦でエカニット・パンヤがデビュー

 浦和レッズのタイ代表MFエカニット・パンヤは、10月4日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第2戦、ハノイFC(ベトナム)戦で浦和デビューを果たして初ゴールも決めた。こぼれ球に反応したシュートについて「ボールが来た時には無心で足を振りました」と笑顔だった。

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 エカニットは今夏、浦和と提携しているタイ1部ムアントン・ユナイテッドから期限付き移籍で加入した。これまで、1試合についてベンチ入りを含めた登録が23人可能なACLでメンバー入りして2試合目だったが、このハノイ戦でチームが5-0のリードを奪ったところでチャンスがやってきた。

 FW興梠慎三と同時投入されトップ下に入ったエカニットは積極的にゴールに迫った。そして後半40分、攻撃参加したDF大畑歩夢が放ったシュートを相手GKが弾いたところに反応して押し込んだ。巡ってきたチャンスに結果を出したエカニットは「流れの中でこぼれが来るかもしれないと思ったので、そこに詰めてボールが来た時には無心で足を振りました。ゴールになって良かった」と喜んだ。

 西野努テクニカルダイレクター(TD)は、加入への経緯として昨冬に浦和の若手選手がムアントンで練習参加した際の視察と継続的なリストアップ、さらに今年に入ってからの練習参加でプレーを見たうえで獲得に至ったことを話していた。半年間の期限付き移籍はエカニットにとってもチャレンジになっているが、「浦和の中ではトップ下はポジション争いがすごく激しい。中央のポジションも人は多いし、今のところは自分のチームの戦術理解というのが、今のところは分かってるつもりでも、分からない所があるので、そこは合わせていきたい。なるべく、自分らしいプレーをできるように、日々練習を頑張っている」と、前向きに日々を過ごしている。

 参考にしているのは、北海道コンサドーレ札幌などJリーグで活躍した母国の英雄チャナティップで、「代表でも一緒にやっている先輩なので、彼の細かい動きとかターンを見たりして研究をしている」と話す。そして、札幌に所属している同国代表MFスパチョーク・サラサットからは「なかなかチャンスがもらえないかもしれないけど、日々練習の中で一生懸命やってチャンスが来た時には思いっきり自分らしくプレーをして思いっきり蹴って、シュートを打っていけばチャンスをつかめると思うから、何か1つ残せると思うから、思い切りやってほしいと言ってくれました」と、アドバイスとエールを受けたのだという。

 マチェイ・スコルジャ監督は試合後、チャンスを与えたエカニットについて「ブック(エカニットのニックネーム)は非常に興味深い、技術力のある選手。彼のメインポジションは今日もプレーしたトップ下で、ゲームの読みが非常に良く、いいラストパスを持っている。そしてそれだけではなく、今日もお見せしたようにいいフィニッシュも持っている。1歩ずつ彼の準備を進めて、いずれJリーグでもプレーできるようにしたい」と話した。

 エカニット自身もまた「タイリーグとJリーグの強度の部分では、日本の方が強度が高い。まず自分の中で、その強度を合わせるところと今後、どれだけエカニット・パンヤがJリーグで通用するのか、自分の見せ所だと思う」と、まだ果たせていないJ1でのデビューを見据えた。前線に負傷者が続出している浦和の中で、クラブ初のタイ人選手となるエカニットがさらなる爪痕を残せるのか注目される。

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