甲府のACL初ゴールで「頭が真っ白になった」 歴史的勝利の瞬間に巡った監督の心境「走っていこうとしたが…」

甲府を率いる篠田善之監督【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】
甲府を率いる篠田善之監督【写真:2023 Asian Football Confederation (AFC)】

ブリーラムと互角以上の試合展開を見せ、終盤にMF長谷川が決勝ゴール

 後半45分に決まったヴァンフォーレ甲府によるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)初ゴールは、国立競技場に集まったファン・サポーターを熱狂させたが、ゴールを決めた当事者のMF長谷川元希、ベンチにいた篠田善之監督も「頭が真っ白になった」と振り返った。

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 ACLグループH第2節のブリーラム戦、1階席のみが解放された国立競技場には、今季の甲府のホームゲームでは最多となる1万1802人が集まった。今回、クラブは甲府のサポーターだけではなく、Jリーグ全体のサポーターへ動員を呼び掛けたこともあり、その雰囲気は日本代表戦を感じさせるようなものとなっていた。

 実際に日本のJクラブを代表して戦っている甲府は、その期待に応えてタイ国内で2シーズン連続3冠を成し遂げているブリーラムと互角以上の試合展開を見せた。そして後半45分、右サイドからMFクリスティアーノが上げたクロスを長谷川がヘッドでゴールに叩き込み、決勝点を奪って勝利した。

 待望のゴールが決まり、興奮の坩堝と化した国立競技場。ベンチにいた選手だけではなく、チームスタッフもゴールを決めた長谷川のもとへ駆け寄っていった。この時の詳細について長谷川は「あまり覚えていなくて。でも、最後に気づいたら篠さんがいて『どういう状況?』と思った」と、自身の記憶をたどって笑った。

 記者会見では、篠田監督にもこの時の心境を問う質問があがった。珍しい興奮ぶりだったと指摘された篠田監督は、笑顔を見せながら「少し展開的に引き分けかなと自分のなかでも思っていたり、ちょっとカウンターから危ないなと思いながら見ていた時に、クリスティアーノから元希のヘディングが決まった時に、ちょっと真っ白になった。元希のところに走っていこうとしたが、なかなか追い付けなくて。いろんなドクターやトレーナーに抜かれたりして、それでも元希のところまで行けて良かった」と語り、報道陣を笑わせた。

 J1昇格プレーオフ進出争いを繰り広げながら、ACLのグループステージ突破も目指すことになる甲府。篠田監督も「ヴァンフォーレにとって歴史に残る1勝だと思うが、まず1歩踏み出せた。グループステージ突破の夢を叶えられたらと思います」と、勝利をかみしめた。

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