浦和が示したアジア大会の“勝ち方” ベトナム王者撃破…序盤2ゴールがもたらしたチームへの好影響とは?
ACLグループJ第2節でハノイFCを6-0で下す
浦和レッズは10月4日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループJ第2節、ベトナム王者ハノイFC戦に6-0で勝利した。立ち上がりにゴールを奪ったことで試合展開を理想的なものにした。
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浦和は試合開始から9分でコーナーキックをファーサイドで合わせたFWホセ・カンテのシュートが相手に当たってゴールへ。記録こそオウンゴールだが、その前の集団でマークを外す動きを含め、狙い通りの形だった。そして、前半20分を前にFW髙橋利樹が獲得したPKをアレクサンダー・ショルツが決めて2-0とした。これにはマチェイ・スコルジャ監督も試合後に「開始20分で2-0にすることができたのも非常に良かったと思います」と話した。
初戦で武漢三鎮(中国)と2-2で引き分けた浦和だが、このゲームでは逆にアウェーで前半10分に先制ゴールを許してしまったことで試合を苦しくした。また、ハノイFCは初戦をホームで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦すると、前半15分くらいまでに勢い良く攻め込んで2つの決定機を作ったものの決められず、逆に浦項にゴールを許す展開で2-4でのスコアで敗れた。
ACLなど国際大会は特に、ホームチームが立ち上がりの勢いを出すことが少なくない。そこでゴールまでつなげるか、それとも決定力を欠いてしまうかの差は大きい。また、東アジア勢に比べてやや力が劣るとみられる東南アジア勢との対戦では、相手に自信と勇気を与えないためにも前半の内にゴールを奪うことが重要だと言える。
前回大会で優勝した浦和は東南アジア勢から4勝をマークしたが、いずれも前半の内に先制していた。また、そのうち3試合は前半15分までの得点だったことを踏まえても、この日のゲームでも勝利に近づくための重要な要素を満たす戦いができたと言えるだろう。
スタメン出場したMF小泉佳穂もまた「早い時間で点を取れたのが大きかった。0-0で進んでいたらまた難しくなっていたので、すぐに点を取れたのが大きかったですね」と、試合の入りについて振り返った。
参加40チームに拡大された大会は、東西それぞれ4チームずつが5グループに分かれている。そのため、首位チームは突破を確定するが、2位チームは東西の5チームの中で上位2チームに入る必要がある。そこでは直接対決のないチーム同士を比較するので得失点差が重要になり得る。スコルジャ監督も「今日の試合の結果、そして得点を嬉しく思う。グループステージが終わったところで、得失点差が重要になってくるかもしれない」と、6得点大勝を喜んだ。
早い時間にゴールを重ねたことで、プレー時間の長いMF岩尾憲を前半のみの出場とし、日本代表MF伊藤敦樹はベンチスタートからそのまま温存。後半には今夏加入したタイ代表MFエカニット・パンヤにデビューのチャンス置与えることができ、エカニットもまたゴールで応える好循環が生まれた。アジアで3回の優勝経験を持つ浦和は、国際大会の勝ち方をこの日のピッチで示していた。