リバプールGKアリソン「怒らなければならない」 前代未聞の“VAR誤審”にFIFA新技術の導入渇望「なぜ使わない?」
トッテナム戦で起こった問題
イングランド1部リバプールは9月30日のプレミアリーグ第7節でトッテナムと対戦。退場者を2人出し、後半アディショナルタイムにオウンゴールで決勝点を献上し、1-2で敗れた。試合の前半にFWルイス・ディアスの得点が“誤審”によって取り消される騒動があり、波紋を広げている。
リバプールは前半24分にMFカーティ・ジョーンズがMFイブ・ビスマの足を踏みつけてしまい、一発退場となった。数的不利のなかで迎えた同33分、FWモハメド・サラーのスルーパスに抜け出したディアスがゴールネットを揺らしたが、副審が旗を上げ、主審もオフサイドと判断。VARチェックも入ったうえで、ノーゴールとなった。
しかし、この判定が誤審だったことが判明。VARはディアスがオンサイドだったことは映像から明らかだったため、映像にラインを引かずに簡潔なチェックを行い、「チェック完了」と報告。しかし、主審は自身が下したオフサイドの判定が正しかったと受け取ってしまったのだという。VAR側と主審での連携ミスで起きた前代未聞の誤審だった。試合後にはイングランドのプロ審判協会(PGMOL)は「重大な人為的ミス」との声明を発表していた。
大きな波紋を呼んでいるこの誤審騒動を受け、選手たちも不満を募らせている。英紙「デイリー・メール」はリバプールの守護神、ブラジル代表GKアリソンのコメントを伝えている。
「私はこういうアンフェアな状況にこそVARは有効なのだと言ってきた。信じられないことにこれほどシンプルで、客観的事実に基づく事象でもこのような問題が起こり続けている。そのためのテクノロジーはあるはずだ。なぜカタール・ワールドカップ(W杯)で導入されたFIFAの技術(半自動オフサイドテクノロジー)を使わないんだ?」
アリソンはさらなるテクノロジーの導入を望み、今回のケースのような判定ミスが減ることを望んでいた。また、アリソンはこうした審判の判定ミスが話題になる度、選手たちが審判への不満を言えない空気を感じているとも話している。
「(ディアスのゴールが認められなかったことについて)みんなが見ていた。レフェリーについて話すのは好きではない。時々、囚人のような気分になる。(判定について)口を開けば、あらゆる方向から攻撃を受ける。我々は人間だ。このようなことがあれば怒らなければいけない。これはファンの感情でもあり、我々の感情でもある。結果を犠牲にするミスだった。試合の行方を全く違ったものになった。我々はこのことと向き合っていかなければならない」
イングランドではVARによる判定ミスが頻出しており、物議を醸している。試合に敗れたリバプールとしては、簡単には受け入れがたい問題といえるだろう。