強調した「レスト」の重要さ

　J1で首位に立つヴィッセル神戸は、9月29日のJ1リーグ第29節で2位の横浜F・マリノスとの首位攻防戦に臨み、2-0で勝利した。神戸の吉田孝行監督は、試合後の記者会見で「本当に大事な試合でしたが、そんななか選手たちが90分間、最後の最後まで戦ってくれました。苦しい試合でしたけれど、みんなで勝利を分かち合えてよかったなと思います」と、勝ち点3を獲得したことを喜んだ。

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　結果的に前半に挙げた2点を守り切った形となったが、吉田監督は「前半に関しては自分たちが意図していたことができました。相手の弱点はどこかを分析したうえで、その狙いは出せていた。そこで得点が生まれて、プラン通りの前半だったと思います」と、高さで優位に立てる前線のFW大迫勇也やFW武藤嘉紀を生かした戦い方を振り返った。

　守って前線にボールを入れるという戦い方になったが、両チームともに前線に個の能力の高い選手をそろえていることが要因だと分析する。

「前半からボールをつながれたというより、カウンターを警戒しないといけない状況で、お互いに間延び傾向でした。相手も前線に個のある選手、スピードのある選手だったり、パワーのある選手だったりが3人並んでいます。（トップ下の）西村（拓真）選手を入れると4人いるので、そのあたりでセカンドボールが拾えなかったり、お互いに行ったり来たりっていう展開になり、うちもカウンターでチャンスがありました。終盤には体力的に足をつる選手がでて、きつかったかなと思います。押し込まれてクロスも上げられる展開だったので、少し（最終ラインを）5枚にもしてみましたが、そこからひっくり返すよりは、何とか守り切ろうという思いがラスト10分くらいは強かったと思います」

　しっかりと前半のリードを守りきれた試合に好感触を得た指揮官は、この試合の先制ゴールとなるPKを決めたFW大迫勇也について、「半端ないでしょ。大迫、半端ないでしょ」と笑った。

　ここから3週間ほど、首位のままで中断期間を迎えることになる。「まずは3週間、ゲームから離れるのでしっかりレスト（休み）をとる。体もそうですが、心も1回サッカーから離れて、レストをとる。そのあとにしっかり立ち上げる。トレーニングゲームも2試合入っているし、3週間後に同じテンションでできるようにプランニングを考えています」と、初優勝への道筋を描いた。