小野伸二に「本当に救ってもらった」 琉球時代の元同僚・浦和MF小泉が明かすレジェンドの“人間性”「見習いたい」

浦和でプレーする小泉佳穂【写真:徳原隆元】
浦和でプレーする小泉佳穂【写真:徳原隆元】

今季限りの現役引退を発表

 北海道コンサドーレ札幌の元日本代表MF小野伸二が、今季限りの現役引退を発表した。FC琉球時代にチームメイトとしてプレーした浦和レッズのMF小泉佳穂は、「伸二さんがいなかったら、今の浦和にいる僕は間違いなくいない」と話した。

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 小野は静岡県の清水商業高校(当時)から浦和入りして1998年にプロデビュー。2001年夏にオランダの名門フェイエノールトへ移籍すると、UEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)を勝ち取った。06年に浦和へ復帰するとクラブ史上初で唯一のリーグ優勝に貢献し、翌年はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)初優勝も果たした。翌年には浦和を離れてドイツのボーフムへ移籍して、清水エスパルス、ウェスタンシドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)、札幌と渡り歩いて19年夏に琉球へ。小泉は、その年に青山学院大学から琉球に入団してプロキャリアをスタートしていた。

 ともに20年までプレーして、21年に小野は札幌へ再移籍。小泉は小野の古巣になる浦和へと移籍した。当時、小野からは「とにかく自信を持ってプレーすること」というエールを受けたという。加入時の背番号「18」は、小野が06年のリーグ優勝時につけたもの。当時「自分で選んだわけではないけど、伸二さんのことは子供のころから見ていて、伸二さんがレッズで18番を背負っていたことはもちろん知っているし、18番になったことは本当に光栄ですごく嬉しい」と話していた。

 そして、昨季は小野が浦和で2回にわたってつけて「8番」が空いたこともあり、小泉が受け継いだ。「伸二さんが現役の内に同じピッチに立って、浦和の18番、8番に引き継ぐにふさわしいプレーをもっと見せたかったという気持ちはある。でもこれからもプレーを見てくれていると思うので、もっともっとそのようになれたらいいなと思う」と話す。

 小野について小泉は「何を言っても、自分が言うことじゃないみたいに思えてしまう。お疲れ様でしたという気持ちでしかないけど、それを自分が言うのも違うのかなと思ってしまう」と話すほどに畏敬の念を示した。そうしたなかでも、サッカー少年だったときに見てきたもの、FC琉球時代に触れたものについて言葉をつないだ。

「プレーヤーとして、本当に見ている人を惹きつける。伸二さんを見てサッカーを好きになるとか、始める人はすごく多いと思う。そういう選手になりたいのはあるし、ずっと目指している。一番は人として、とにかくすごくいろいろなことに気を使って、場を明るく、ポジティブにする声かけもたくさんしてもらった。琉球の時に個人的にも本当に救ってもらった。サッカーをしていても、していなくても周りの人を幸せにできるところを見習いたい、そういう人間になりたい気持ちが強い」

 浦和は今季の最終戦で札幌と対戦する。小野の引退セレモニーの実施なども予想されるが「一緒にプレーしていた人はすごく影響を受けているだろうし、いろいろなところで救われた人がとても多いと思う。自分がどこまでいっていいのか……」と、小泉は元チームメイトながら悩む姿を見せ、「自分でユニフォームを買って、持っていってサインをしてもらうのがいいかな。計画しておきます。あれだけ愛されている人だから忙しいし……。なかなか図々しくもいけない。チームメイトもたくさんいるし、一緒に写真を撮ってほしい、サインがほしい、ユニフォームを交換してほしいという人が大量にいると思うので」と、敬意を示していた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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