森保一監督、引退決意の小野伸二は「日本人で一番天才」 第2キャリアは指導者“希望”「彼以上の選手を育てて」
浦和対横浜FCを視察
日本代表の森保一監督が9月29日のJ1リーグ第29節、浦和レッズと横浜FCのゲームを視察。浦和でプレー経験があり、今季限りでの引退表明をした北海道コンサドーレ札幌に所属する元日本代表MF小野伸二について「選手時代に日本人で一番天才だなと思った」と、その思い出を話した。
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試合は前半15分に横浜FCが先制。後半は浦和がかなり押し込む展開になり、ラスト15分を前に1-1に追いついたものの、そのまま引き分けていた。森保監督は試合後の取材対応で小野について問われると、「天才であり、サッカーが好きで、うまくなりたい、そして勝ちたいということを表現できる、本当にサッカーの楽しさとサッカーの魅力を伝えてくれる選手だったので、引退するのは寂しい」と、その思いを話した。
小野は森保監督が選手としてサンフレッチェ広島でプレーしていた1998年に浦和でプロデビュー。小野がオランダの名門フェイエノールトに移籍した2001年夏まで同じJリーグでプレーしていたが、「選手時代に日本人で一番天才だなと思ったのが小野伸二。どこからこのピッチを見ているんだろうなって、同じピッチに立っていても見えている世界が違うなと思いながら試合をしていた。対戦相手だったけど、プレーしている時は別次元からピッチを見ている。よく俯瞰して見ているという表現をしますけど、まさにそういう感じだった。彼は上から見ていてスペースが全部見えている感じがしましたね」と話した。
また、広島の監督時代2014年にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、当時オーストラリアのウェスタンシドニー・ワンダラーズに所属していた小野と対戦。ホームで3-1で勝利したものの、アウェーでは小野の活躍もあり0-2で敗れ、ラウンド16で姿を消した記憶も残っているという。森保監督は報道陣に囲まれながら、「私は平面で見ているので皆さんにぶつかってしまうけど、彼は上から見るようにスペースが分かるんですよ」と、笑顔も見せながら懐かしそうに話していた。
先日の日本代表活動でヨーロッパを訪れた際に日本代表FW上田綺世が所属し、小野の古巣でもあるフェイエノールトを訪問したという森保監督は「レジェンドとして写真もあり、ヨーロッパのタイトルを取っているので、その中心としてリスペクトされていた。スタジアムの写真を見て、『シンジ!』と声をかけられたので、世界的レジェンドだなとそこでも感じた」と話す。フェイエノールトは小野が所属した2001-02シーズンにUEFAカップ(現UEFAヨーロッパリーグ)を制している。
小野の今後についてはまだ明らかにされていないが、森保監督は「彼のように世界、ヨーロッパのタイトルも取って世界を知っていて、日本代表でも世界を経験していて、あれだけの技術を持っていた選手。本当にサッカーを知っている人が、この現場の世界で活躍してくれたらうれしい。彼以上の選手を彼が育ててくれる、そういう仕事についていただけると」と、指導者の道を歩むことを熱望していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)