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マンUを怒濤の5連勝に導いた2つのポイントとは?
2つ目のポイント「キャリックの復帰」
元イングランド代表MFマイケル・キャリックは開幕前に足首を負傷し、3か月の離脱を余儀なくされた。ファン・ハール監督も当初、キャリックを除いたチーム編成に着手。そのため、復帰直後はなかなか出番に恵まれなかった。
しかし、オランダ代表MFダレイ・ブリントの負傷離脱により、キャリックに出番が回ってきた。第11節のクリスタル・パレス戦で先発の座にキャリックを据えたマンUは、その試合から怒濤の5連勝を遂げている。
キャリックが先発でピッチに立つことで、マンUにどのような変化が生じたのだろうか。簡潔に言うならば、決定的なミスが減っている。
前線にスーパースターを擁するマンUだが、守備陣はいまだ手薄な状態にあり、そのアンバランスさが不本意な結果を招いている要因の1つでもあった。しかし、キャリックが自陣に位置することで、スペースへのカバーリングが明らかに改善されている。連携の部分ではいまだに課題が残るものの、自陣での単純なミスは、キャリックのケアで大方、カバーできている。キャリックの存在が先制点を与えないマンUを形成していることは間違いない。
ただ、現在5連勝と結果だけを見れば右肩上がりではあるものの、内容に関してはいまだ多くの問題が混在しているのも事実だ。サウサンプトン戦後のインタビューでも、ファン・ハール監督は「試合に勝てたのはラッキーだった」と発言するなど、内容では劣勢を強いられたことを認めている。
まずは結果というノルマに向けてようやく順調に踏み出すことができたマンUであるが、今後は内容を改善していかなければ、欧州トップレベルの戦いには到底、通用しないだろう。1億5000万ポンド(約280億円)の大型投資に見合った成功を収めるため、ファン・ハール監督は険しき道を歩み始めたばかりだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images