ドイツ→ベルギー→日本→中国→日本…浦和の日本代表MF伊藤敦樹は“超過酷日程”も前向き 「タフな日程幸せ」
G大阪戦では2アシストで逆転勝利に貢献
浦和レッズは9月24日のJ1リーグ第28節ガンバ大阪戦に、敵地で1-1の同点から退場者を出して10人になった後に2点を奪って3-1の勝利を収めた。この試合で2アシストした日本代表MF伊藤敦樹は「このようなタフな日程は、サッカー選手として幸せなこと」と話している。
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伊藤は9月の日本代表活動に選出され、9月9日の国際親善試合ドイツ戦と、12日の同トルコ戦に同行。12日にベルギーで行われたトルコ戦では代表初スタメン、初ゴールも飾った。その後、欧州内での移動から日本へのフライトを経て、国をまたいでの中2日となった15日の京都サンガF.C.戦(0-0)では後半45分間をプレー。さらに中4日で中国に飛び、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の開幕戦、武漢三鎮戦をフル出場した。
今季の浦和で欠場した試合は、9月の代表活動と同じタイミングで行われていたルヴァンカップの準々決勝2試合と、6月に初代表に選出された際のルヴァン杯の清水エスパルス戦のみ。そのため、実質的にはまったく休みなく試合に出続けている。
伊藤はこのG大阪戦で前半に右サイドからのボールでFWホセ・カンテのゴールをアシストし、1-1の同点で10人になった後半23分には右サイドを駆け上がってFW髙橋利樹の勝ち越しゴールをアシストした。後半36分にMF柴戸海との交代で退いたものの、右サイドの良好なコンビネーションと前線まで飛び出していく運動量がチームを助けた。
特に髙橋のゴールでピタリと頭に合わせたクロスについて、伊藤は「奪ってから前に出ていった。1人少なくなってからは前に出ていくしかないので、いい形で自分の所にボールが入って、トシくん(髙橋)が見えた。トシくんはヘディングが上手ですし、いいボールを上げることに意識をして。うまく決めてくれたので良かった。最高ですね。気持ちがいいゴールになった」と喜んでいた。
代表活動への参加が増え、メンタル的な部分では「外からの目線が変わったのは正直、感じているけど、自分的にはそこまで気にしないようにしている。変にそうやって注目されたり、期待されているのを勘違いして、過信になってしまわないように、自分としては謙虚な気持ちを忘れないようにしている」と話す。
一方で、過密日程と移動の多さが負担になるのは事実。実際に「正直、身体もきついのもありますし、特に今月は移動が続いて、体を休める時間がなかった」と話す。それでも「こういったなかでも結果を出し続けないといけない。このようなタフな日程は、サッカー選手として試合に関われるという幸せなこと。そのなかでコンディションは万全ではないけど、それでもチームのために、今日は結果という形で残すことができて良かった」と、その思いを話した。
浦和の下部組織で育ち、流通経済大を経て2021年に浦和にプロ選手として戻った。そのルーキーイヤーから試合出場を重ねる中、大きな負傷をしないタフさも武器の1つになっている。9月だけで6試合目となるタフな日程のうえに10人で戦う負担も大きかったが、ゴールに絡む仕事をして勝利に貢献する姿が印象的なゲームになった。