三笘のジョーカー起用「完璧な治療法」 “劇変”させた采配に英注目「欧州での2日酔いを癒す」
ボーンマス戦で切り札起用、ファティとともに攻撃の流れを一変させる
イングランド1部ブライトンは9月24日、プレミアリーグ第6節でボーンマスと対戦し、3-1で勝利した。リズムに乗り切れない前半から、後半は一転して勢いが加速。MF三笘薫らを起用し流れを変えたその戦いぶりを、現地メディアは「欧州での2日酔いを癒す完璧な治療法を見つけた」と注目している。
ブライトンは21日のUEFAヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ初戦(対AEKアテネ/2-3)から中2日での試合。その試合で先発した三笘やMFソリー・マーチ、FWアンス・ファティらがベンチスタートとなったボーンマス戦では、パスワークを生かした攻撃の組み立てを図れず、前半25分にはミスから失点も招いた。
前半アディショナルタイム2分に、相手のオウンゴールで追い付いたブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督はハーフタイム明けに2枚替えを選択。MFファクンド・ブオナノッテとFWエバン・ファーガソンを下げ、三笘とファティをピッチへ送り込むと、いきなり結果をもたらす。
キックオフからわずか15秒後(公式記録では後半1分)、三笘が敵陣でボールを受けると左サイドのファティへ展開。エリア内に侵入した三笘がファティ、MFマフムード・ダフードと経由したボールを受けると、ゴール前の密集を潜り抜け、右足で逆転ゴールを流し込んだ。
三笘はさらに後半32分、DFペルビス・エストゥピニャンからの左クロスをゴール中央でタイミング良く頭で合わせて、プレミアリーグで自身初となる1試合2ゴールをマーク。途中起用のファティとともに試合の流れを変えるパフォーマンスを発揮し、ブライトンを3連勝へ導いた。
今季スタメン起用が続いていた三笘の先発落ちは、疲労を考慮されたものと見るのが妥当だが、結果的にこのジョーカー起用が奏功。英紙「デイリー・メール」は「ブライトンの監督、ロベルト・デ・ゼルビは、欧州での2日酔いを癒す完璧な治療法を見つけた」と、好連係を築いたファティとの起用法に脚光を当てた。
ブライトンは今後も、リーグ戦とELを並行して戦う。主力選手の疲労を考慮せざるを得ないシチュエーションも想定されるなかで、場合によっては三笘を切り札として起用する可能性もありそうだ。