なでしこ長谷川が8発大勝に手応え パリ五輪予選へ意欲「このチームなら上まで行ける」
W杯後初となる対外試合でアルゼンチン女子代表戦に8-0の大勝
日本女子代表(なでしこジャパン)は、9月23日に北九州スタジアムで国際親善試合アルゼンチン女子代表戦に臨み8-0の大勝。女子ワールドカップ(W杯)後で初の対外試合を飾った。2得点のMF長谷川唯は「難しい戦いになるけど、このチームなら上まで行けると思う」と、今後への自信も見せた。
6月から7月にかけてオーストラリアとニュージーランドで共催された女子W杯で日本はグループステージ3連勝の快進撃を見せたが、準々決勝でスウェーデンに敗れ8強で大会を去った。一方のアルゼンチンはそのスウェーデンらと同組のグループステージを1分2敗で敗退。その大舞台を終えて初の対外試合に、池田太監督は主将の熊谷紗希をアンカーに置く4-3-3システムでスタートした。
序盤からほとんどの時間を敵陣で過ごすゲームになると、長谷川はPKによるチームの2点目と、中盤から飛び出していって相手センターバックをドリブルで外し、距離を詰めてくるGKの逆も取るシュートでチームの4点目を決めた。「最近あまり前のポジションをやっていなかったので、こういう時にしっかり結果を出せて良かった。なかなか日本の皆さんにプレーを見せる機会がないので、今日は得点もできて良かった」と、イングランドでプレーするだけに日本でプレーする試合への思い入れも込めつつ振り返った。
後半の立ち上がりは決定力を欠く時間帯もあったが、その後は途中出場の選手たちにより4得点を重ねた。熊谷は「まず、たくさんのゴールを取れて、勝利できたことが嬉しい。自チームでは経験のあるポジションなので、普段どおりできた。求められているのは確実に守備の安定感だと思うので、それを意識した。焦らず、引いてくる相手をどう崩すかというタイミングをうかがってボールを動かし、得点を重ねられて良かった」と、内容にも納得感を示した。
来年にはパリ五輪が開催されるため、その予選が間もなくスタートする。32チームでの開催に拡大された女子W杯とは違い、五輪は世界全体で12チームという少数での大会。アジア全体からは2枠という狭き門となる。2016年リオデジャネイロ五輪に向けたアジア最終予選での敗退を知る熊谷は「五輪に向けた厳しいアジアの戦いがあるので、チームとして1つ1つ積み上げて、そうした意味では大切な対外試合だったので、こうして勝てて良かった」と話す。
また、長谷川は女子W杯を経てのチームについて「難しい戦いになるけど、このチームなら上まで行けると思う。それまで個人個人もいい準備をしていきたい」と自信も見せた。まずはアジアでの戦いで、再び世界一への挑戦するパリ五輪の舞台へ切符を手にしたいところだ。