リバプール遠藤、スタメン確保には時間をかけるべき? “ファビーニョ式起用”に英紙注目「実績が正しさを証明」
かつて活躍したファビーニョにも用いられた起用の仕方に注目
イングランド1部リバプールは、9月16日に行われたプレミアリーグ第5節のウォルバーハンプトン戦で3-1の逆転勝利を収めた。今夏の移籍市場でドイツ1部シュツットガルトからリバプールに加入した日本代表MF遠藤航は出場機会がなかったが、英紙「デイリー・エクスプレス」は、現在の遠藤がやるべきことを伝えている。
多くの選手が各国代表としてプレーしたリバプールは、ウォルバーハンプトンとの試合前に全体練習は一度しかできなかったという。選手選考が難しい状況にあったなかで、ユルゲン・クロップ監督は守備的なMFにアルゼンチン代表の活動を終えたばかりのMFアレクシス・マクアリスターを起用した。
本来は攻撃的な中盤の選手であるマクアリスターの守備的MFでの起用について、記事では「マクアリスターの戦術的な柔軟性は、クロップ監督に選択肢を与えることになる」と理解を示している。その一方で、本職の守備的MFである遠藤の起用が見送られたことには「多くの人は疑問に思ったはずだ。新加入の遠藤航には何が起きたのだ?と」と、疑問を呈している。
「日本代表選手は守備的MFであり、アンカーのスペシャリストだ。相手のプレーを壊し、深い位置でボールを奪い返すことに長けている。彼もまた中断期間には日本代表として活動し、非常に印象的なドイツ相手の勝利を挙げた。だが、遠藤はウルブス(ウォルバーハンプトン)戦の先発から外されている。彼のポジションではマクアリスターが先発し、ウルブスのスピードに苦しめられていた。元ブライトンの選手は、このポジションで不安定で早い時間帯にイエローカードを受けて、ハーフタイムにはベンチに下げられた」と、試合で起きたことを伝えている。
さらにマクアリスターを下げた後も、遠藤には出番が訪れなかった。そこで記事では「疑問が再燃する。なぜだ。クロップ監督はシュツットガルトから驚きの獲得に動いた時に絶賛していた。選手と監督の最初の会話を映したクラブの動画では、クロップ監督が遠藤に向かって『私たちにはキミが必要だ。キミの技術が本当に必要だ。ここには素晴らしいチームがある』と、伝えていた」と、クロップ監督に心変わりがあったのではないかと報じた。
そのうえで、遠藤が辿るべき足跡は、今夏の移籍市場でサウジアラビア1部アル・イテハドに移籍したブラジル代表MFファビーニョであると指摘している。
「2018年にモナコから大金で加入したファビーニョは、数週間にわたってなかなかリバプールのファンの目に触れることがなかった。クロップ監督とコーチングスタッフは、途中出場で短時間のプレー時間を与えたが、より多くの責任を与えられることはなかった。その間にファビーニョは、あらゆる局面でのリバプールのシステムやフォーメーションの細部までを学ぶことが求められていた。チームのやり方を学び、機械のように与えられた役割をこなせるようになるためだ。遠藤にも、この精通させるクロップ監督のシステムが再び起こっているのだろう。
リバプールの監督は、30歳の日本のスター選手が多くの経験を有している一方で、改善するための時間が短いことも理解している。夏の新加入選手は、すぐに結果を求められがちだが、それをゆっくりと緩和させる『ファビーニョ式』が再び用いられている。批判は休みなく出るかもしれないが、ブラジル人の実績がこの方法の正しさを証明している。ファビーニョは一時代を築き、プレミアリーグや世界のサッカー界を代表する守備的MFになって、多くのタイトル獲得にも貢献した」
これまでにもファビーニョの後継者としてプレー面で期待されてきた遠藤だが、出場機会を得られていない今、クロップ監督の流儀を自信に落とし込み、クラブにタイトルをもたらす存在になれるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)