浦和助っ人には「特別な試合になった」 殊勲2得点の躍動に納得「こうやってピッチの上で出る」

G大阪戦でゴールを決めたブライアン・リンセン【写真:Getty Images】
G大阪戦でゴールを決めたブライアン・リンセン【写真:Getty Images】

浦和FWリンセンがルヴァン杯準々決勝で躍動、本来の輝き示す

 浦和レッズのオランダ人コンビ、FWブライアン・リンセンとMFアレックス・シャルクが、ルヴァンカップ準々決勝、ガンバ大阪と対戦した2試合で躍動。チームをベスト4進出に導いた。リンセンは「スペシャル。我々オランダ組にとっては特別な試合になった」と笑顔だった。

 9月6日の初戦の主役はシャルクだった。後半開始直後にゴール正面から無回転の強烈ミドルを叩き込み、約半年ぶりの公式戦ゴールで1-0の勝利に導いた。そして10日の第2戦はリンセンが力を見せた。6月の天皇杯以来のスタメン出場をすると、前半8分にコーナーキックからヘディングシュートを決めて先制。このゴールは4月以来だった。そして後半18分には左サイドからの折り返しを足もとに受け、反転しながら左足シュートを流し込んだ。

 さらに、試合終了間際には右サイドからDFアレクサンダー・ショルツが中央へ流し込んだボールにリンセンが反応。そこで「シャルクが自分のうしろにいた。『うしろにいるぞ』と叫んできたし、シャルクのほうが自分よりもフリーな状況だったのでスルーした。彼のシュートのクオリティーが高いことは誰もが知っているだろう」と、ボールをそのまま後方へ。走り込んだシャルクが放ったシュートは相手に当たってゴール内へ。これで2試合連続ゴールとなり、2戦合計の4-0はこのオランダコンビが2点ずつを奪い取った。

 ともに昨季途中に加入したが、負傷も多く状況は厳しかった。今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の決勝が4月と5月に行われたが、外国人枠が3人だったところでメンバーから外れた。結果もついてこないなかで、リンセンは「時に難しい時期もある。途中出場しても難しいこともある」と話す。それでも、公開されたトレーニングの日にはシャルクが大声でチームを盛り上げる姿もあった。

 リンセンの先制点をアシストしたMF岩尾憲は「メンバーになかなか入れない時期も続いていたけど、練習に取り組む姿勢や、練習が終わってチームから離れてトレーニングルームでフィジカルコーチを捕まえてトレーニングを追加するなど、コンディション管理などはプロフェッショナル。そういう姿勢で取り組んできたからこそ、これまで素晴らしいキャリアを築けてきているんだと思う。人間性やプロフェッショナルな振る舞いがこうやってピッチの上で出るんだなということを、改めて感じさせてもらった」と、2人について話した。

「自分自身にとっていい2ゴール」

 2人はオランダでも同郷で、プレシーズンのキャンプでも仲の良さを見せていた。時にいたずらを仕掛けるリンセンについて、シャルクは「彼は子供っぽいから、僕のほうが年下だけど兄のようなもの」と話せば、そこにリンセンが「おいおい、兄は俺だろ」と乱入してくるなど、ピッチ外でも絶妙なコンビネーションを見せる。一方で、時には戦術ボードを手にして2人でプレスの掛け方を確認する姿もあった。

 リンセンは「自分自身にとっていい2ゴール。ストライカーに必要な要素だと思う。すごく嬉しい。スペシャル。我々オランダ組にとっては特別な試合になった」と喜んだ。リーグ戦は残り8試合だが、準決勝進出を決めたルヴァン杯や来週スタートするACL2023-24シーズン、年末のクラブW杯も含め公式戦はまだ20試合近くある。前線に負傷者も増えてきた浦和にとって、オランダ人コンビがチームの中にいい形で組み込まれていくかどうかは重要な要素になりそうだ。

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