ドイツとの再戦、日本代表OBが「チャンス」と説く森保ジャパンが“突くべきポイント”は?【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】ドイツ戦は「格上の相手とやるいい機会」
日本代表は現地時間9月9日(日本時間10日未明)、ドイツのヴォルフスブルクで国際親善試合ドイツ代表戦に臨む。昨年に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)の再戦となるが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「堅いサッカーをして1-0で勝つよりも、自分たちのサッカーをして何をできるかが大事」と見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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森保ジャパンは昨年のカタールW杯後、3月シリーズでウルグアイ代表とコロンビア代表、6月シリーズでエルサルバドル代表とペルー代表と対戦。今回、第2次政権では初の海外遠征で、W杯優勝4回を誇る強豪ドイツと戦う機会を得た。
元日本代表DF栗原氏は「カタールW杯で(2-1と)勝ったとはいえ、難しい試合になるのは間違いない。日本にとっては格上の相手とやるいい機会」と語る。
W杯の対戦では、FW前田大然(セルティック)を1トップに置き、前から積極的にプレスをかけにいく戦術が奏功したが、今回はテストマッチ。栗原氏は「森保(一)監督がどういうサッカーをやっていくかで戦い方が決まる」と占う。
「W杯の時は勝利優先で、目指していたサッカーではなかったかもしれない。今回はどちらかと言ったら自分たちのやりたいサッカーをドイツ相手にやって、どこまで通用するかを測る機会。堅いサッカーをして1-0で勝つよりも、自分たちのサッカーをして何ができるかが大事。ビルドアップからサイドの三笘(薫)、伊東(純也)へ渡して、そこから突破していくサッカーかなと思います」
ドイツはトレーニングでMFヨシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)を右サイドバックでテストしたと報じられており、三笘と対峙する可能性がある。そのマッチアップとなれば、積極的に攻めていくべきだと栗原氏は説く。
「キミッヒはテクニックのあるボランチのイメージで、スピードについていくタイプではない。三笘のスタイル的にチャンスだと思います。久保建英も間違いなく調子はいい。でも、攻撃陣は一番競争が激しい。三笘と伊東は縦に速いのに対し、久保は中に行けるのが強み。出てきた時に流れを変えられるので、途中(出場)からでも期待したいですね」
センターバックは、怪我で代表から遠ざかっていたDF冨安健洋(アーセナル)が、DF板倉滉(ボルシアMG)とコンビを組む可能性がある。栗原氏は「冨安にとって感覚とかを戻すいい機会」としつつ、「あの2人はたぶん誰もが選ぶ日本トップのセンターバックコンビ。(ドイツで)相手も相手なのでどこまでやれるのか、今回の一番の楽しみです」と期待を寄せていた。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。