「指導者になれる自信は今ない」 現役引退の岩渕がセカンドキャリアに言及「女子サッカーをもっとポピュラーなスポーツに」

引退会見を行った岩渕真奈【写真:轡田哲朗】
引退会見を行った岩渕真奈【写真:轡田哲朗】

女子サッカーの発展や成長に携わっていくことを約束

 女子ワールドカップ(W杯)に計3度出場したFW岩渕真奈は、9月8日に引退会見を行った。今後に関しては、「指導者に今はなれる自信はない」としつつも、「女子サッカーの発展や成長のために何か貢献したい」と意気込んだ。

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 岩渕は2007年に日テレ・東京ヴェルディベレーザでトップチームデビュー。ドイツのホッフェンハイム、バイエルン・ミュンヘンと海外クラブを経験したのち、INAC神戸レオネッサでも活躍した。

 その後20年末から再び海外へ。イングランドへ渡り、アストン・ビラ、アーセナルでプレー。今年1月にトッテナムへ期限付き移籍したが、シーズン終了後の現地時間6月14日には契約満了に伴い、今夏アーセナルから退団となっていた。

 なでしこジャパン(日本女子代表)としては2011年、15年、19年の女子W杯に出場。東京五輪以降は背番号10を背負いエース格としてチームを牽引したが、今年行われたオーストラリア&ニュージーランド共催の大会はメンバーから落選していた。

 今年30歳を迎えた岩渕は9月1日、自身の公式SNSで「いつも応援してくれている皆様へ」と綴り、「プロサッカー選手を引退することに決めました」と、スパイクを脱ぐ決意を伝えた。

 9月8日に引退会見を行ったなか、今後について問われると、「指導者をとよく言われるけど、サッカーを口で伝えるのは苦手なので、指導者というものに自分自身が今なれる自信はない。でも、女子サッカーの発展や成長のために何か貢献したい。10月にスペインに行くプロジェクトがあり、若い子供たちに向けて何かできる機会を増やしていけたら。女子の全国大会、U-12の全国大会がない状況なので、自分が声を上げたい。自分自身は目標があることが頑張れた。何か1つでも目標、選択肢を与えられるように頑張りたい」と、思いを口にした。

 また、岩渕は日本女子サッカーに対しても、感謝の言葉を述べている。

「自分を作ってくれたのがサッカー。女子サッカーを応援してくれている人に感謝したい。W杯を外で見ることになったけど、初めて物心ついて出たいとなった時に、心にグッとくるものがあるのが今後の女子サッカーを応援してもらうのに重要だと思う。2011年の優勝はフォーカスされるし、永遠に語り継がれると思うけど、選手時代にいい意味でも悪い意味でもプレッシャーになった。今後の選手たちには仲間とサッカーを楽しんでもらいながら、結果がすべての世界だけど、会場に何かを感じ取ってもらうスポーツになるのが女子サッカーの発展に大事だと思う。外からしか何かを言うことはできないけど、これから女子サッカーをもっとポピュラーなスポーツにするためにも自分も全力で頑張りたい」

 セカンドキャリアで、岩渕がどのように日本女子サッカー界の発展に携わっていくのか興味深い。

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