浦和のタイ代表獲得、どう実現したのか? 「リストアップしていた」…強化部が語る23歳MFの補強意義
タイ代表MFパンヤの加入会見を実施、補強までの経緯を強化部が説明
浦和レッズは8月29日にタイ代表MFエカニット・パンヤの加入会見を実施した。強化部門にあたるフットボール本部は、タイ1部ムアントン・ユナイテッドの提携が今回の移籍につながったという経緯を話した。
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浦和とムアントンは約2年前、2021年9月に提携を発表している。その中には人的交流も項目にあり、西野努テクニカル・ダイレクター(TD)は「ムアントンとの提携は色々な成果が出ている。アカデミーのチームも遠征で出向いている」と、育成年代からの交流が進んでいることを話した。
そのうえでエカニットの獲得について、土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)は「昨年にJリーグの提携国のタイで提携クラブのムアントンに、西野TDにゲームを中心に視察に行ってもらった。そのなかでの出会いがあった」と話す。ここから移籍への流れが進んだ。
西野TDは「視察に行った目的は2つ、若手の練習参加が決まっていたので環境の視察と、戦力になる選手の発掘。行く前から(エカニットは)ビデオで見てリストアップしていた。実際に試合とトレーニングを見させてもらって可能性があると。そこからムアントンとも連携して情報をもらい、活躍を見守って今年の5月には3人の練習参加。ムアントンからの推薦もあったけれども、彼はこちらから指定した」と話し、視察と実際の練習参加を経ての獲得になった。その流れのスムーズさもまた、提携クラブであったことが大きいだろう。
そのうえで西野TDは「ついにトップチームに戦力の目的で選手を獲得できた。ムアントンにとっても選手にとっても、浦和レッズにとっても一緒にチャレンジして協力している。国際的な協力関係でも一歩、二歩と先に進んでいる」と話す。契約は今シーズン末までの期限付き移籍だが、浦和にとっても新たな選手獲得ルート、あるいは昨年末のように若手をトレーニング参加に送り出す機会のあるチームとして関係が深まることも期待される。
エカニット自身も「Jリーグに来た時、より高いレベルでチャレンジできると感じた。自分の持っている力以上を出さないと成長もできないと思う。自分の成長、夢を持ってチャレンジしたい」と、このチャンスを生かそうという気概を会見中も言葉にしていた。これまでもJリーグで活躍を見せたタイ人選手もいるが、アジアでも知名度の高い浦和でエカニットがチャンスを掴むことができれば大きな盛り上がりを見せることが期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)