山形が4年ぶりの歓喜のJ1復帰 12年大分以来となるJ2リーグ6位からの下克上
山崎、山岸らベテラン勢が躍動
今季J2リーグ6位の山形は、J1昇格プレーオフで同3位の千葉と対戦し、1-0で勝利した。2011年シーズン以来となる4年ぶりのJ1昇格を果たした。
試合は、山形のキャプテンの意地の一撃で決まった。前半37分の山形の右CKのチャンスで、相手のクリアボールを受けたMF宮阪はエリア内にボールを送る。ここでFW山崎がヘディングで合わせ、値千金の一撃を決めた。
プレーオフ準決勝の磐田戦で劇的なヘディング決勝弾を決めた、元日本代表GK山岸が、守備で奮闘した。前半、相手MF町田の惜しいヘディングシュートに横っ跳び。シュートは枠を捉えなかったが、ポストに頭を強打しながらも最後尾からチームを鼓舞し続けた。山岸は「何が何でも昇格したい」という言葉通りにワンプレー、ワンプレーに魂を込め、元日本代表FW森本、MF谷澤らタレントぞろいの千葉攻撃陣を完封した。
一方、12年ロンドン五輪代表を率い、今年7月から千葉を率いる関塚隆監督は策に溺れた格好となった。前哨戦となった11月27日の天皇杯準決勝山形戦でDF山口らベテラン6人を温存。コンディショニングと手の内を隠す2つの狙いがあったが、その試合も山形に2-3で敗れた。
山形はこの勝利から勢いに乗り、怒濤(どとう)の公式戦3連勝でJ1復帰の切符を手に入れた。
12年の大分以来となるJ2リーグ6位からの下克上を果たした、山形の石崎監督は「選手が一丸となって戦ってくれたおかげ。サッカーの戦い方ではまだまだ問題があるが、勝ちたい気持ちはどこにも負けなかった」と言葉にした。
山岸、山崎らベテラン勢だけでなく、選手全員が最後まで足を止めずに走り、球際では体を張った守備ですべてのプレーから強い気持ちが伝わってきた。
J1昇格を決めたが、山形劇場はこれで終わりではない。12月13日には天皇杯決勝戦でJ1王者G大阪戦が待っている。2012年のFC東京以来となるJ2勢の天皇杯優勝を狙う。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images