「1年間色々あったけど…」 大会MVP選出の金崎「良い形で終われて最高です」と笑顔で歓喜
「優磨には悪いですけど、もらいました」 後輩から譲り受けたPKを沈めて2点目
鹿島アントラーズのFW金崎夢生は、3日のJリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦で2ゴールを挙げ、逆転優勝の立役者となり大会MVPに選出された。「1年間色々ありましたけど、良い形で終われて最高です」と笑顔で優勝の喜びを語った。
鹿島は前半7分に元鹿島FW興梠慎三にゴールを許し、早々にビハインドを背負った。しかし、ホームでの第1戦を0−1で落としていた鹿島にとって2点が必要な状況は変わらなかった。冷静さを見せた名門クラブが、ここから脅威の粘り強さを見せる。その攻撃をけん引したのがリーグ戦10得点のエースFW金崎だった。前半40分、MF遠藤康の右クロスにダイビングヘッドで飛び込んで同点ゴール。「ヤス(遠藤)が良いボール上げてくれたので飛び込むだけでした」と豪快な一撃を振り返った。
さらに後半34分には、FW鈴木優磨が浦和DF槙野智章に倒されて得たPKを冷静に決めた。「優磨には悪いですけど、もらいました」と後輩から譲り受けたチャンスで、強烈なシュートをゴール左に突き刺した。
今年8月の湘南戦で途中交代に不満を持ち、石井正忠監督と衝突。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督からもその振る舞いについて苦言を呈され、以降は代表に招集されなくなった。そうした騒動に引きずられてか、リーグ後半戦はパフォーマンスが低下したものの、大一番で結果を残すさすがの役者ぶりを見せつけた。
「とにかく優勝できて本当に嬉しいです。1年間色々ありましたけど、良い形で追われて最高です」
年間勝ち点差15をひっくり返す下克上での優勝を果たすなかで、エースの勝負強さが光った。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
松岡健三郎●写真 photo by Kenzaburo Matsuoka