清水×町田、ファウル判定で主審への執拗な異議を検証 元Jリーガーが「良かった」と語った主審の対応は?
ファウルを吹かれた乾が主審に抗議
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、8月19日に行われたJ2リーグ第31節、清水エスパルスとFC町田ゼルビアの試合が取り上げられた。ここでは、主審に対する執拗な異議がテーマになった。
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前半38分、町田はカウンターでMFバスケス・バイロンがドリブルでスピードアップ。センターサークル内でうしろから手をかけて倒した清水のMF乾貴士のプレーがファウルと判定され、先立圭吾主審はイエローカードを提示した。しかし、乾はその後も先立主審に激しく抗議を継続。チームメイトの制止によって引き離された。
ゲスト出演した元Jリーガーの林健太郎氏は「(ファウルは)イエローカードだと思う。カウンターを止めるコンタクトはそんなに強くないと思うが、スピードが出ているので少しのコンタクトでもあのような倒れ方になる。状況を考えれば妥当だと思う」と話す。また、同じくゲスト出演した元Jリーガーの土屋征夫氏は「乾選手も手をかけた時点でイエローカードは頭にあると思う。1つ前に出られたら相当なチャンスになると思うので、それを潰したということでイエローカード」と見解を述べた。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、相手の大きなチャンスを潰すプレー(SPA)によるイエローカードとして「コンタクトの選択は別の方法があったと思う。乾選手からすると『ちょっと触っただけ』というのがあると思うけれども、ホールディングには程度は関係ない。ここで触るコンタクトを選んだ判断のミスだと思う。オープンなスペースもあるし、2対2にいこうかという状況なので、SPAと言える」と語った。
そして、乾の抗議について「レフェリーが対応しなかった」と家本氏が話すと、林氏も「最初の時点でも感情的になりながらもコミュニケーションは取ろうとしていると思う。主審の方がそれを聞かないようにするアクションだったので、より乾選手が怒ってしまったのではないか。そのあたりからは、もう1枚イエローカードが出てもおかしくない印象。町田の選手も『乾さん、さすがにそれは言い過ぎじゃないですか』というアクションに見える」と述べた。
元主審の家本氏は「途中で間に選手が入って狂うとカードを出しにくい」と指摘
土屋氏は「レフェリーの対応が良かったと思う。選手に感情的にバーッと言われた時に、レフェリーにも感情的にワッと来られると収拾がつかなくなるところを、レフェリーが聞き流したか冷静に判断したか分からないけど対応してくれて、退場にならなかったのは良かった。試合の結果は別として、このシーンだけを抜いたら11対11の試合になったのは良かった」と話した。
家本氏は「選択肢の1つにある行動。今シーズンの日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は、異議に対しては毅然と対応しましょうというメッセージを明確に出している。それからすると、レフェリーの対応がそれを守られているかというと『?』がつくというか、もう少しやりようがあったのかなと。言い方は悪いけど、途中で間に選手が入ってきて『まあまあ』となると、レフェリーは(カードを)出しにくい。いろいろな思いで感情的になるシーンはいっぱいあるけど、チームメイトがなるべく間に入ったほうがカードは出しにくいので、チームとしてはそういう対応を早くする方法もあった」と、審判委員会からのメッセージとレフェリー心理についても触れた。
また、家本氏は現在JFAの審判委員長を務める扇谷健司氏から現役時代に、「ひどいことを言われた時に、『聞こえなかったんで、もう1回言ってもらっていいですか?』と聞き返す。そうなると、人は言いづらいので、上手く異議を断ち切る方法をしていたと聞いたことがある」と、エピソードを披露していた。