「クレイジーだよ」 電撃移籍→即デビューの遠藤航、リバプール入りまでの急転直下に言及「チャンスは今しかないと…」
“プランB”として白羽の矢が立った遠藤、ボーンマス戦で後半18分からピッチへ
日本代表MF遠藤航は、8月18日にドイツ1部シュツットガルトからイングランド1部リバプールへ電撃移籍した。翌19日にはプレミアリーグデビューを果たした背番号「3」は、試合後に移籍までの怒涛の日々を振り返っている。英紙「デイリー・エクスプレス」が報じた。
リバプールは元々、エクアドル代表MFモイセス・カイセド(元ブライトン)を中盤補強の第1ターゲットとしていた。英国史上最高額となる1億1000万ポンド(約202億円)のオファーを提示してクラブ合意に達したが、すでにチェルシーと個人の条件で合意していたカイセドがこれを拒否したと伝えられた。
結果として、リバプールの提示した金額を上回る1億1500万ポンド(約211億円)を用意したチェルシーがカイセドを獲得。昨季までリバプールの中盤を構成していたジェイムズ・ミルナー(→ブライトン)、ファビーニョ(→アル・イテハド)、ジョーダン・ヘンダーソン(→アル・イテファク)が今夏移籍したため、獲得できなかったカイセドに代わる“プランB”が必要となった。
そんななか白羽の矢が立ったのが、ブンデスリーガ2019-20、20-21シーズンの2年連続でデュエル王を獲得した遠藤だった。シュツットガルトで主将を務め、今季もすでに12日のドイツカップ戦にフル出場しゴールを決めている。
18日にリバプールから公式発表、遠藤はメディカルチェックを受けて翌日のプレミアリーグ第2節ボーンマス戦で早速ベンチ入り。1人味方が退場となった3-1の状況で、後半18分にピッチに投入された。
終盤に危険な位置でファウルを犯してセットプレーのピンチを招く場面もあったが、鋭い出足で相手の縦パスをカットするなど随所に持ち味も見せている。約30分間を無失点で乗り切り、チームに嬉しいホーム初勝利をもたらした。
「カイセドがチェルシーに行ったとき、『もしかしたら』と…」
「デイリー・エクスプレス」紙は「ボーンマス戦でポジティブなインパクトを残した遠藤は、プレミアリーグへの移籍をめぐる混乱について口を開いた」と、試合後の本人のコメントを紹介。移籍までの怒涛の日々を回顧した。
「自分にチャンスがあると知ったのは3、4日前だった。とても早かった。週の初めにはブンデスリーガでプレーする準備をしていて、週の終わりにはここアンフィールドで、大勢のファンの前でプレーしているんだ。クレイジーだよ」
一方で、移籍前にもリバプールのニュースを追っていたと明かす遠藤。「リバプールは中盤の選手が欲しがっていたし、6番が欲していた。だから、彼(カイセド)がチェルシーに行ったとき、『もしかしたら』と思ったんだ」と、自分にも可能性が出てきたことを自覚していたという。
「経験豊富な中盤の選手が必要なんだろうと思ったんだ。あっという間に決まったよ。でも、プレミアリーグでプレーするのが僕の夢だったから、ノーとは言えるわけがなかった」
リバプールはこれまで、25歳以下の若く将来性のある選手を獲得する方針を示してきた。それでも遠藤は「現状のニーズに応えた人選」だったようで、経験豊富な遠藤本人もそのことを痛感している。
「トップクラブが若いタレントを欲しがっているのは理解している。でも僕は(自分に)『リバプールに移籍するチャンスは今しかない』と言い聞かせるようにしたんだ。クラブは常に若い選手を獲得しようとするからね」
30歳で巡ってきた大きなチャンスを逃すまいと、すぐさまイングランドへと渡った遠藤。その決断が正しかったと、英国ファンに示すことができるだろうか。