浦和GK西川周作「頭は冷静にやれた」 今季初完封に歓喜「もう今日がラストチャンスだと思っていた」
名古屋に1-0勝利、「引き分けでもダメで、勝ちしかない状況」で臨んだ西川
浦和レッズは8月18日のJ1第24節、名古屋グランパス戦に1-0の勝利。夏の中断明けの初勝利となったが、無失点で終えたゴールマウスではGK西川周作が鬼気迫る表情で奮闘した。
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浦和はマチェイ・スコルジャ監督が「夏のブレークを過ぎてからは、我々にとってあまりいい時間を過ごすことができていませんでした」と話したように、公式戦を1分2敗と苦しんでいた。リーグ戦は1分1敗で優勝争いが現実的だったところから後退。4位こそキープしていたが、首位との勝ち点差が9に開いた状態で3位の名古屋戦を迎えていた。
そのゲームでは前半にFWホセ・カンテの鮮やかなミドルで先制したものの、特に後半は苦しんだ。スコルジャ監督は「後半に入ってからハイプレスのシステムを少し変えました」と話したが、MF伊藤敦樹は「ハーフタイムで守備のやり方を変えた。相手の左サイドがストロングで、トモ(MF大久保智明)を前に行かないで下げるやり方にしたんですけど、その分、相手の3枚の左の選手に簡単に運ばれてしまって、中は固く守れましたけど、守るだけになってしまった」とピッチ内での印象を話した。
そして、名古屋にサイドチェンジをされた後に浦和の左サイドはかなり苦しい状況に追い込まれた。その結果、後半から名古屋の右シャドーとして出場したMF前田直輝にかなり切り崩され、ペナルティーエリア内からのシュートも許した。しかし、そこに西川が立ちはだかってファインセーブを連発。防戦一方になるチームを鼓舞しながら試合を運んだ。最後の時間帯はDF岩波拓也を投入してなりふり構わず5バックで逃げ切りを狙うに至った。
それでもアディショナルタイムには途中出場のMF久保藤次郎にペナルティーエリア内でパスを受けられる大ピンチが訪れたが、西川が必死に距離を詰めたことがプレッシャーになったか久保のシュートは枠外に飛んだ。この時のプレーでスペースを空けてしまったプロ契約したばかりの17歳MF早川隼平に、西川は鬼の形相で声をかけていた。どちらかと言えば盛り立てるタイプの西川には珍しいシーンだった。
守護神は「もう今日がラストチャンスだと思っていた。引き分けでもダメで、勝ちしかない状況。それを引き寄せるプレーや姿勢が大事だと思っていた。いつも以上に声を荒げることもあったけど、頭は冷静にやれたと思う。自分たちが上にいくチャンスがあるなかで、なかなか勝てないもどかしい気持ちだった。今日は全員で身体を張ってハードワークする広島戦(前節1-2)でできなかったことが目を覚ましたようにできた」と喜んだ。
リーグ最少失点タイで乗り切ってきた浦和だが、今季の本拠地埼玉スタジアムでの試合でスコアレスドローはあったものの無失点勝利は意外にもこれが初めてだった。J1通算で最多の完封試合数の記録を172試合に伸ばした西川は、試合が終わってようやくトレードマークの笑顔を見せていた。