レッズ、“70分天下”の悲劇 超満員のサポーターからは大ブーイング
淵田社長のホーム最終戦の挨拶は大ブーイングにかき消される
浦和が6日の最終節のホーム、名古屋戦で“70分天下”の悲劇を味わい、1-2で逆転負け。2006年シーズン以来、8年ぶりのリーグ優勝を逃した。
浦和は前半2分、セットプレーのチャンスからDF槙野のヘディングシュートで先制。この時点では開始前に勝ち点62で並びながら得失点差でリードされていたG大阪に、勝ち点2差をつけて優勝に手をかけた。
しかし後半27分、相手DF牟田のゴールで同点に。70分間手をかけていた優勝のチャンスを手放した浦和イレブンは精神的なダメージから立ち直れず、後半44分にはカウンターからロンドン五輪代表FW永井に逆転弾を許した。
最終的にG大阪に9年ぶりリーグVを許した浦和は11月22日のG大阪との直接対決から3試合連続で勝ち星なしでシーズンを終了。優勝を逃した選手たちは試合終了直後に超満員の観衆から罵声を浴びせられ、淵田敬三社長のピッチ場での挨拶はブーイングでかき消されんばかりとなった。
「みなさん、この1年間熱い応援本当にありがとうございました。結果は優勝に届くことができませんでした。チームは3年間でミシャ監督の下、着実に力をつけております」
指導者人生でいまだJ1の主要タイトルに縁遠いミシャことミハイロ・ペトロビッチ監督の手腕に同社長が言及した際には、ブーイングが最大の音量となった。サポーターへの挨拶がなかったペトロビッチ監督は来季続投が決まっている。
一方、浦和の黄金時代にタイトル獲得に貢献し、2010年に名古屋に移籍したDF闘莉王が試合後、センターサークルで意気消沈のサポーターに深々とお辞儀すると、大きな拍手が巻き起こった。また、今季限りで退団する元日本代表DF坪井のサポーターへの挨拶は温かい歓声に包まれ、勝負弱さの目立ったチームに対する厳しい声とはかなりの温度差があった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web