優勝に手をかけた70分間…… レッズ、痛恨逆転負けで8年ぶりJ1制覇の夢散る
途中出場の鈴木が痛恨のパスミスで名古屋に逆転負け
浦和が痛恨の逆転負けで、8年ぶりのJ1優勝を逃した。前半2分にDF槙野のヘディングシュートで先制しながら、リードを守りきれずに後半27分に追いつかれると、試合終了間際に途中出場のMF鈴木のパスミスから痛恨の決勝点を奪われた。優勝を争ったG大阪が徳島とスコアレスドローだったため、勝てば浦和の優勝が決まっていたが、70分間手をかけていたタイトルは、超満員のサポーターの前でこぼれ落ちた。
前節終了の時点で、G大阪、浦和は勝ち点62で並んでいたが、得失点差で「7」上回るG大阪が首位。浦和としてはまず勝ち点3が最低条件となる状態で、試合が始まった。
勝ってG大阪の結果を待ちたい浦和は、いきなり先手を取る。前半2分。MF柏木の左CKを槙野が頭で合わせると、ふわりと浮いたボールがネットを揺らした。G大阪の試合は動いておらず、このまま勝てば勝ち点65となる浦和が“勝ち点2差”で首位に立った。
さらに、カシマスタジアムでは前半6分にMF高橋のゴールで鳥栖が先制。勝ち点60の鹿島がリードを許し、さらに浦和有利の展開となった。
その後、前半は一進一退の攻防に。8分にはFW李が左サイドから抜け出したが、左足でのシュートはゴール右に外れる。一方、名古屋は10分の小川のミドルシュートがクロスバー、35分の矢田のミドルシュートが左ポストに嫌われるなど、惜しい場面を作りながら同点に追いつけない。
後半に入ると、名古屋は7分にDF闘莉王が負傷交代。大黒柱を失う苦しい展開となった。しかし、同27分に試合を動かす。左CKからDF矢野のヘディングはGK西川がセーブ。しかし、こぼれ球をDF牟田が押し込み、振り出しに戻した。
このままいけば浦和は勝ち点63。依然として0ー0のままのG大阪と並び、この時点で得失点差で「7」及ばず、“首位陥落”となった。
さらに、同44分には前がかりになったところで途中出場の鈴木が最終ラインで痛恨のパスミス。カウンターから最後はFW永井のゴールで2失点目。まさかの逆転を許し、勝利から大きく遠ざかった。鈴木は頭を抱え、しばらく立ち上がれなかった。
そのまま試合は終了。浦和は開始直後の1点のリードを守りきれず、2006年以来のリーグ制覇はならず。2007年のアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)以来となるタイトルも獲得できなかった。「勝てない監督」ミハイロ・ペトロビッチ監督は、またしても直前でタイトル逸となった。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web