横浜FM×G大阪のPK“蹴り直し”問題に元主審が見解「見ろという話」 2本目は「正直、アンフェアなことが起きている」
DAZNの番組内で家本政明氏が解説
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、8月12日のJ1リーグ第23節、横浜F・マリノスとガンバ大阪の試合が取り上げられた。ここでは、PKやり直しをめぐる一連のジャッジが話題になった。
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後半3分に横浜FMはFWエウベルがペナルティーエリア内の左サイドから中央へ突破。G大阪のDF佐藤瑶大が手で倒す形になってPKの判定になった。ここでPKキッカーは横浜FMのアンデルソン・ロペスが務め、キックをGK東口順昭がセーブ。しかし、キックの前に東口がゴールラインより前に出ていたとして、山本雄大ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでPKやり直しになった。蹴り直しのPKはロペスが決めたが、この際には横浜FMのフィールドプレーヤーの数人がキック前にペナルティーエリア内に進入していた。しかし、池内明彦レフェリーはゴールを認めていた。
まずPK判定について、ゲスト出演した元日本代表MF稲本潤一は「見た感じ、厳しい。手で押さえているけどもう1人カバーにいっているし、そこまで決定的なチャンスかと言うとはてなマーク。若干、もらいにいっている感じもする」と話した。一方で同じくゲスト出演した元北朝鮮代表FW鄭大世は「ファウルに見えますよね。攻撃の選手がチャレンジして相手の間を抜けてボールがいい位置に落ちている。そこを手でガードしにいっている。大げさにもらいにはいっているけど、ボールじゃなく相手を押さえにいっている。大げさだけど、PKでも仕方ないと思う」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「100%のファウルとは思わない。(G大阪の)両選手ともボールにプレーする素振りには見えない。足を運んでいるかと言うと、足から崩れているのは間違いなくフットボールコンタクトの範疇と判断するレフェリーはいると思う。両選手が手で押さえにいっているので競技規則でいうと反則とは言える」と話した。
そしてPKの蹴り直しについて、まず現行のルールでキッカーに関する反則は「競技者が1度助走を完了した後、ボールを蹴るためにフェイントをする(助走中のフェイントは、認められる)」とされているため、助走とストップさせながらボールに近づくロペスのキックに反則はないと家本氏は解説。そのうえで、VARの介入できる条件について「大きく2つある。GKに関することと、進入したフィールドプレーヤーがボールに関わった場合のみ」と整理している。
そのため、今回の1本目のキックはGKの反則となり「テクニカル上、VARが入らなければならない」とした。一方でやり直しのキックについて「明らかに(フィールドの選手が)入っている。これを誰が判断するかは現場のレフェリー。ここでGKがセーブしてこぼれ球を進入した選手がプレーした場合(はVARが入る)」とした。そのため、キックに成功した2本目の場合、「競技規則上では明らかな違反が行われているのにもかかわらず、(VARが)介入をできない。正直、アンフェアなことが起きている」と、家本氏はルールについて解説している。
この2本目について、キックの瞬間に映像を止めると、東口はゴールラインより前に出ていて、横浜FMの選手は複数人がペナルティーエリア内に入っている。家本氏は競技規則について「シュートが決まってもダメ(PKやり直し)。仮にこの状態で東口選手がセーブしたら(PKやり直しと)イエローカードと競技規則にうたわれている」と解説。
そのうえで、池内レフェリーが見極められたかどうかについて家本氏は現役時代の経験から「見ようとすれば見える。見ようとしなければ見えない」とし、「役割分担として副審はGKのタイミングを見ている。それ以外を主審が判断するが、多くのレフェリーはキッカーを注目する。しかし、ほぼほぼキッカーは違反をしない。主審はキッカーにフォーカスせず間接視野に置きながら、全体のラインを見ておけば明らかに1メートルくらい出ている選手がいるのは分かる。そんな簡単ではないですけど。(やり直しにする)べきです。見ろという話です。見ようとしない限り、これは絶対に見えない」と、池内レフェリーへの意見を話していた。