なでしこジャパンに突き付けられた4年後への課題をFIFAが指摘「答えは1つではない」 スウェーデン戦で顕著「影を潜めた」
なでしこジャパンはベスト8で敗退
なでしこジャパン(日本女子代表)は8月11日、オーストラリアとニュージーランドで共催中の女子ワールドカップ(W杯)準々決勝でスウェーデン代表と対戦。1-2で敗れてベスト8で敗退した。FIFAはなでしこジャパンが4年後に向けての課題を指摘した。
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試合は前半32分、スウェーデンがセットプレーから波状攻撃を仕掛け、最後はゴール前のこぼれ球をDFアマンダ・イルステッドが蹴り込んで先制に成功する。1点リードで迎えた後半立ち上がり、スウェーデンはコーナーキックからゴール前の混戦で、目の前でコースが変わったボールがMF長野風花の手にヒット。プレーは流れたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言でオンフィールドレビューに。その結果、PKと判定されて後半6分にMFフィリッパ・アンゲルダルが追加点を奪った。
少しずつ敵陣でのプレー回数を増やした日本は後半23分にMF長谷川唯がペナルティーエリア内まで進出してシュートを放つも枠外。3分後には長野のパスからMF藤野あおばがシュートを放つも相手GKに阻まれた。そして後半29分に植木がドリブルで切り込むと相手のファウルを誘い、PKを獲得。しかし、自ら狙った植木のシュートはクロスバーを直撃して真下に跳ねたもののゴールラインを割っておらずゴールにはならなかった。
1点が遠い試合になった日本だが、諦めずに攻撃を続けると後半42分にMF清家貴子のクロスがこぼれたところに走り込んだMF林穂之香が蹴り込み、途中出場の2人が絡んで1点を返した。しかし、このままタイムアップとなり、スウェーデンが2-1で接戦を制した。
今大会では快進撃を見せ世界に注目されてきたなでしこジャパン。FIFAは敗れた一戦にも注目し、4年後に向けて課題を指摘した。
「特に今まで対戦したチームと違ったのは、球際にかなり厳しくきていたことだ。後方からボールを繋いでいく日本に対し、スウェーデンは縦にボールが入った瞬間に素早い寄せで対応。ボランチやシャドーに圧力をかけ、そこでフィジカル面の優位性を発揮することで、日本の攻撃をシャットアウトさせることに成功していた」
球際の勝負でスウェーデンに分があったとしたうえでこれも「運ではなく、しっかりと球際に強く行くフィジカルあってこそだった。ここまでの試合ではスムーズな攻撃を見せていた日本だが、スウェーデン戦は相手のペースに飲み込まれ、躍動感ある日本の仕掛けが影を潜めることになった」と、フィジカルに差があったとした。
さらに、セットプレーにおいての守備はスウェーデン戦以外でも危うい場面があったと指摘して「絶対的な“高さ”の差はあるが、チームで意思統一しながら地上戦を制することができていただけに、空中戦をどのように抑えていくかは今後のポイントになるはず」と、はっきりとした課題を突き付けた。
「近年、日本の選手が欧州で戦うことが増え、そんな選手たちが一様に口にしていた『フィジカルの差』。これは4年後への課題となるだろう。選手1人1人がフィジカルをつけていくのはもちろんだが、身体作りをしつつ、その差を埋めるための新たな手法を取り入れていくことだってできる。答えは1つではない」
今大会では優勝も見えてきただけにあと1点が遠かったなでしこジャパン。4年後には課題を解消して2011年以来の頂点へと駆け上ってもらいたい。