「ああいうのが一番PKになる」 浦和の興梠が語る“勝敗を分けた駆け引き”

CS決勝第1戦の決勝点を導くPK奪取

 張り詰めた空気に包まれた試合のなかで、一瞬の駆け引きが勝負を分けた。浦和レッズのFW興梠慎三は、鹿島アントラーズと対戦した29日のJリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第1戦で、後半11分にPKを獲得。これをキャプテンのMF阿部勇樹が決め、1-0の勝利を収めた。

「本当に最高な結果。欲を言えば2-0で勝てればもっと楽だったけど、アウェーで勝てたのは良かった」

 そう振り返ったストライカーが、一瞬の鋭さを見せたのがPK奪取のシーンだった。後半11分、右サイドでMF柏木陽介がボールを持って中央を向き、クロスを上げようとした。その瞬間、興梠は目の前のDF西大伍の前に一気に入り込んだ。ここで両者が交錯し、浦和にPKが与えられた。

「センタリングを受けようとしてファーからニアに飛び込んだところで体をぶつけられた。ああいうのが一番PKになりやすい。そこはうまく駆け引きができたと思う。大事な試合はガチガチになってシュートチャンスがない試合になる。そこでは、ああいう駆け引きがすごく大事になる」

 興梠はそう振り返った。両者とも決定機はほとんどなく、「お互いに守備にハードワークして、攻撃にあまり力が出ないような状況」を感じていた。だからこそ、数少ないチャンスを生かすかどうかが勝負を分ける。相手の背後、視野の外から一気にコースを変えて先にボールへの進路を取った興梠の勝利だった。

 

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