「感情的になっているのは知っている」 スウェーデンDF、なでしこ19歳FWを抱擁して慰めた訳
ハンマルビーIFでチームメイトのアンデションが悲しみに暮れる浜野を慰める
スウェーデン女子代表は8月11日、オーストラリアとニュージーランドで共催中の女子ワールドカップ(W杯)準々決勝でなでしこジャパン(日本女子代表)と対戦。2-1で2011年女王を下し、スペインとの準決勝に駒を進めた。スウェーデンメディアは、フル出場したDFヨンナ・アンデションと日本の19歳FW浜野まいかの“友情シーン”について伝えている。
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試合は前半32分、スウェーデンがセットプレーから波状攻撃を仕掛け、最後はゴール前のこぼれ球をDFアマンダ・イルステッドが蹴り込んで先制に成功する。
1点リードで迎えた後半立ち上がり、スウェーデンはコーナーキックからゴール前の混戦で、目の前でコースが変わったボールがMF長野風花の手にヒット。プレーは流れたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言でオンフィールドレビューに。その結果、PKと判定されて後半6分にMFフィリッパ・アンゲルダルが追加点を奪った。
少しずつ敵陣でのプレー回数を増やした日本は後半23分にMF長谷川唯がペナルティーエリア内まで進出してシュートを放つも枠外。3分後には長野のパスからMF藤野あおばがシュートを放つも相手GKに阻まれた。そして後半29分に植木がドリブルで切り込むと相手のファウルを誘い、PKを獲得。しかし、自ら狙った植木のシュートはクロスバーを直撃して真下に跳ねたもののゴールラインを割っておらずゴールにはならなかった。
1点が遠い試合になった日本だが、諦めずに攻撃を続けると後半42分にMF清家貴子のクロスがこぼれたところに走り込んだMF林穂之香が蹴り込み、途中出場の2人が絡んで1点を返した。しかし、このままタイムアップとなり、スウェーデンが2-1で接戦を制した。
フル出場したDFアンデションと途中出場のMFマデレン・ヤノギーはタイムアップ直後、スウェーデンのハンマルビーIFで一緒にプレーする日本の19歳FW浜野の元に歩み寄って慰めた。スウェーデン紙「Aftonbladet」によれば、アンデションはその意図をこのように話したという。
「すぐに彼女(浜野)を見つけようとした。すごく感情的になっているのは知っている。ほかのチームメイトたちと同じようにね。慰めたかったから、彼女には『この場にいることを楽しんで、次に進めることを願っている』と言った」
また、浜野も取材エリアで涙しながら、「自分のプレーをして、チームを助けたいと思っていた。上手くいかなくてすごくつらい。いい選手がいて、技術も高いこのチームでプレーできたことを誇りに思う」と、日本の一員としてW杯を戦ったことへの誇りを口にしていた。