明暗分かれる日本とアメリカ…女子W杯の“対比”を米誌が分析 「敗退は衝撃的な結果ではない」「確実にチャンスがある」

ベスト8進出のなでしこジャパンと敗退のアメリカ【写真:ロイター】
ベスト8進出のなでしこジャパンと敗退のアメリカ【写真:ロイター】

なでしこはベスト8に進出し、スウェーデンと準々決勝で対戦する

 なでしこジャパン(日本女子代表)は8月5日に女子ワールドカップの決勝トーナメント1回戦でノルウェー代表を3-1で下し、ベスト8へ駒を進めた。準々決勝ではスウェーデンと対戦する大会4連勝の日本と、史上初のベスト16で大会を終えたアメリカとの比較を米誌「タイム」が報道している。

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 日本はグループリーグを3戦全勝。11得点無失点の成績で決勝トーナメントに勝ち上がった。引いて守備を固めたノルウェーを相手にボールを保持する展開となり、前半15分に相手のオウンゴールで幸先よく先制した。

 同20分に今大会初失点を喫して同点に追い付かれたが、後半5分にMF清水梨紗が勝ち越しゴールをゲット。さらに同36分にはカウンターからMF宮澤ひなたが今大会5得点目を挙げ、試合を決定づけた。

 ノルウェーを撃破してベスト8へと駒を進めた日本。一方で優勝候補とされたW杯2連覇中のアメリカとFIFAランク3位のスウェーデンとの一戦は、互いにチャンスを生かせないまま120分を終え、勝負の行方はPK戦へ委ねられることに。互いに2人ずつが外して迎えた6人目は両チームとも成功。続く7人目でアメリカのケリー・オハラのキックが右ポストを直撃する。対してスウェーデンの7本目、リナ・フルティグのキックはGKアリッサ・ネイハーが弾き、阻止したように思われたが、ゴールラインテクノロジーによる確認の末にゴールラインを越えているとの判定でゴールが認められ、スウェーデンが勝利した。アメリカは優勝候補の筆頭と見られながら、ベスト16で涙をのんだ。

 これに「タイム」誌は「延長戦:痛みと失望」と題して米女子代表を特集。ベスト16での敗退は世界を驚かせるものだったが、母国では「完全に衝撃的なものではない」としてその原因に迫っている。

「歴史的なサッカー大国が女子競技への投資を続け、男子選手のために長年にわたって機能してきた人材育成モデルを構築する中、アメリカの男子を妨げてきたシステムの欠陥(特にユースレベルでの出場給が潜在的なプレーヤーを排除)は女子を苦しめ続けるだろう。アメリカの女子チームは近年、20歳以下と17歳以下のレベルで苦戦している。そのため、今回の敗退はそれほど衝撃的な結果ではない」

 対して日本についても記事で言及し、「日本の多角的な攻撃はこれまでのところ恐ろしいほど効果的であることが証明されている」と称賛。アメリカでプレーするMF遠藤純は「チーム内で最も人気のある選手」だといい、「遠藤と日本には確実にチャンスがある」と、表彰台への可能性を示した。

 日本でも女子プロリーグのWEリーグなど課題は残るものの、アメリカの敗退は国内で未来に向けての大きな危機感となっているようだ。

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