マンU獲得オファーは「事実」 鈴木彩艶、プレミア移籍断念の真相「非常に迷いました」
シント=トロイデンへの期限付き移籍決断、マンU入り断念後の心境告白
浦和レッズのGK鈴木彩艶は、ベルギー1部シント=トロイデンへの期限付き移籍が発表された8月6日に行われた横浜F・マリノス戦後に取材対応を行った。イングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドから「オファーがあったのは事実」としながらも、最終的に夢であるプレミアリーグでプレーするためのステップとしての選択だったと話した。
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鈴木は小学生年代の浦和ジュニアからジュニアユース、ユースと昇格して浦和史上最年少のプロ契約をしてトップチームへ。2021年にはルヴァン杯でニューヒーロー賞も獲得した。同年には飛び級で東京五輪のメンバーに入り、22年には日本代表デビューも果たした。そして、今夏の移籍市場では欧州移籍が浮上し、ユナイテッドからのオファーという報道もあった。
その報道について鈴木は「マンチェスター・ユナイテッドからオファーがあったのは事実としてありますけど、本当にこの決断は非常に迷いました」と、オファーを認めたうえで、現在は浦和で元日本代表GK西川周作からレギュラーを奪えておらず、リーグ戦の出場機会を得られていないことも踏まえて決断の理由を話した。
「サッカー選手として、1人の人としても何も考えなかったらもちろんマンチェスター・ユナイテッドに行きたいと思う。その先にどういう未来が待っているのかと時間をかけて考えた結果、この決断をしました。自分の意見もそうだし、クラブ間の話し合いもあったので本当に時間がかかったところもありましたけど、最後は自分の意志で決断したので後悔のないようにプレーしたい。今、自分が日本で試合に出られていないなかで、マンチェスター・ユナイテッドはアンドレ・オナナ選手も獲得して、その中で自分が出られるレベルにあるかと思えば難しいと自分でも評価した。今、行けなくても、必ず数年後にはまた戻ってきたいと思う。ステップアップするために今回の移籍を決めました」
また、移籍への理由については「一部報道でパリ五輪のために移籍するというのを目にしましたけど、それは違った話で、僕自身はA代表とワールドカップ、その先の世界一を目指しています。今回、そのパリ五輪のところで移籍を決断したというのは間違いだと言っておきたいです。ですが、その通過点としてパリ五輪が大事な大会であり、目指していくのは変わらないです」と、今後の目標も交えて話した。
試合後に鈴木はセレモニーで挨拶し、ピッチを一周した際には横浜FMのサポーターからもエールを受けたという。そして、ジュニア時代から約11年の所属となった浦和サポーターから大きな声援で送り出されたことについて、「本当に期待されていたんだと感じますし、次は世界のピッチで活躍することがレッズの価値を高めることにもなると思うので、浦和人として戦ってきたい」と感謝の言葉を残していた。
浦和の強化部門からも「浦和の宝、日本の宝」とされてきた才能は、日本人若手選手の登竜門となっているベルギーを経て夢のプレミアリーグ行きを勝ち取るべく奮闘していく。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)