【一問一答(2)】浦和、サポ違反行為の会見 「チームにメリットのないことをするのはファンでもサポーターでもない」

浦和がサポーターの行為の処分について会見(※写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
浦和がサポーターの行為の処分について会見(※写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

天皇杯で発生した違反行為の会見

 浦和レッズは8月5日にオンラインでサポーターによる違反行為について会見を実施。8月2日にCSアセット港サッカー場にて行われた天皇杯ラウンド16名古屋グランパス戦において、発生した事案について田口誠代表取締役社長と、須藤伸樹マーケティング本部長の口から説明された。

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 会見の一問一答は以下のとおり。

――スタンドからピッチへの侵入、1995年の前に話し合いでいかなる場合も許されないと。

田口「クラブスタッフとしては、資料は残されている。引継ぎの部分に分からない部分はあるが。ピッチに下りるというのは大変危険を伴うこと。無用な興奮状態にも陥り、戦闘状態になってしまう。安全上のところで、絶対にやってはいけない。私も以前サッカーをしていた。競技場、グラウンドは聖地。そのような場所に足を踏み入れてはいけない。スポーツを愛する人であれば、聖地の大切さや神聖さを分かってほしい。昭和的、古い考えかもしれないが、それを申し上げさせていただきたい」

――違反サポーターの集団をクラブは認めるのか。

田口「根本のところで、行為は認めないが、存在は認めざるを得ないというところ」

――団体名や代表者名を公開すべきでは
広報「個人名の取り扱い、どこまで公開できるか。本人の意思と私たちの意思が重ならないと実現できないもの。そのような気持ちや考えは理解できる」

――再発防止に運営としてできることは?

須藤「今回は鳴り物禁止というスタジアムだった。天皇杯は当日入りが多いが、今回は事前に愛知に入って、愛知県サッカー協会や名古屋、警備会社とも調整してトラブルが起きないように、と。天皇杯では初めてやったが、トラブルが起きてしまった。通常は4名だが、懸念があったので5名、警備会社の3名も帯同して通常の倍だった。その人数で良かったのかと言われてしまうと厳しかったが、緩衝地帯に対する相談や打ち合わせをしたのも事実。突発的に起こることへの準備が事前にどこまでできるか。今までなら入場のストレスを減らすことなどをお互いのクラブでやってきたが、今すぐにこれがいい手だと感じるものは正直なところない」

――信頼を取り戻すには?

田口「今回の事案は本当に重い事案。信頼、レッズに対する愛着が薄れる、今までにもあったことだが、取り戻すには相当の決意と努力が必要。1つ1つやるしかない。今までがそうだと言いたいわけではないが、処分をして終わりではなく恒久的に起こらないクラブにしないといけない。その1つが処分の厳格化だが、それ以外にもやるべきことはやっていく。簡単にお茶を濁して済む話ではない」

田口「過激なサポーターを追い出せないのかという点では、私個人の考えだが相手をリスペクトしたいし、サポーターにもそうあってほしい。私も直接話し合い、要求したことがある。ルール違反はもう認めないという話もした。ただ、応援の仕方に関しては価値観が絡んでくる。それを規則やルールというのは難しい。今回、色々なレッズを愛する方から投書や電話も多く、コメントも見させてもらった。予想はしていたが、あのような人を排除して子供も安心して見に行ける環境を作ってほしいという声がある。それを力にさせてもらって、何とかそういう方向には持っていきたい」

――クラブとゴール裏の向き合い方。

田口「レッズが本当に弱い時、2部に落ちた時も熱い応援でバックアップしてくれた。レッズがここまで大きくなって人気クラブになるのを支えてくれたのも事実。どこのサポーターグループが、ということではなく。ただ、サポーターは何かと考えれば、チームにメリットのないことをするのはファンでもサポーターでもないと思う。何とか是正をしてもらいたい。お引き取り下さいと言っても、法的な根拠もない。難題だと思うが、みなさんが楽しめて自分の思いで応援できること。それを地道に作り上げることしか信頼回復はないと思う」

「浦和レッズは一体何のために存在するのか」 今後求められる信頼回復

――処分決定の過程で妥当性を問う声は
須藤「処分を検討する中でいろいろと出た。無期限入場停止という意見も出た。ただ、ガイドラインに則らなければ厳しいとも判断した」

広報「もっと厳しい処分がいいのではないかという意見はクラブ内にもある。ただし、それを行う根拠がどこに求められるのかが難しいところ。感情だけでは片づけられないのが悩ましいもの。1つの事案に対して遡ってルールを変えるのが正しいのかも議論した結果。根拠なく決めたわけではなく、それ以上の処分となった時に理由をどう求め、それを継続的に運用できるのか。それを引き続き検討はしている。この基準がずっと続くわけではない。ガイドラインを超えた部分に根拠を求める議論は行われている」

――今回の暴動をどのような行為と規定しているのか
須藤「事実確認を行う中で、それをもとに判断した。立ち入り禁止エリアへの侵入がまずは処分の対象。今後、JFAが映像などの検証で暴力行為があったとなれば追加で処分は出る。終わった後の事実確認をもとにしているが、今後に出て事実と認定されれば処分の対象になる」

――対応が早かった
須藤「今回は重大な案件だと認識している。(8月)6日にもホームゲームがあり、来場する方に少しでも不安を取り除くのも責務」

――拡散された動画には警備員を突き飛ばす場面なども
須藤「自分たちだけでなく、JFAや名古屋、なども交えた中でやっている。今後、追加でも処分もあるので最終的と考えているわけではない」

――大事な横断幕を破損
須藤「Jリーグでも横断幕に関するトラブルが多いのは、みなさんが大事にしているからというのは理解している。軽く思っているわけではない」

――最後に一言
田口「繰り返しとなるが、名古屋サポーターをはじめ本当に多くの方に不快な思いをさせ申し訳ありませんでした。浦和レッズは一体何のために存在するのか、勝敗だけではない期待をされていると思う。それを達成するのが使命。レッズの理念の中に青少年の健全な育成をサポートするとある。世の中に非常に大切なことだと思う。レッズがそれをできているかと言われれば、できていない、むしろ逆だと判断されても仕方ない。サッカーを楽しんでいただくのを提供するのもそうだが、サッカー、スポーツを通して世の中や地域に貢献していきたい。そこに関しては不十分。勝敗だけでないところに貢献したいとスタッフも全員が思っている。そちらに向けてやっていきたい」

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