【一問一答(1)】浦和、サポ違反行為の会見実施 約100人の乱入が判明…今後の厳罰化を視野「抑止力になる」

浦和がサポーターの行為の処分について会見(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】
浦和がサポーターの行為の処分について会見(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】

天皇杯で発生した違反行為の会見

 浦和レッズは8月5日にオンラインでサポーターによる違反行為について会見を実施。8月2日にCSアセット港サッカー場にて行われた天皇杯ラウンド16名古屋グランパス戦において、発生した事案について田口誠代表取締役社長と、須藤伸樹マーケティング本部長の口から説明された。

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 会見の一問一答は以下のとおり。

――本事案に対するクラブの考え方について。

田口「これまで先人たちが築いてきた日本サッカーに泥を塗る愚行、絶対見せてはいけない姿、絶対に感じさせてはいけない恐怖を感じさせてしまったことは痛恨の極み。心より謝罪を申し上げる。誠に申し訳ありませんでした。クラブのファン・サポーターに対し秩序や適切な態度を保持するようにする立場ながら、このようなことを招いてしまった。行為者に対して適正な処分を下すことが最優先と判断した。それが誠意であり義務と考えた。把握できている事実、適切な判断基準とは我々の主観だけではなく、日本サッカー協会やJリーグと連携して、ガイドラインを参考にした。ただし、過去の事案も鑑みて判断基準を考えていくことも大切。これらは内規なので詳細を明らかにすることは禁じられているが、違反行為によってはガイドラインに定められた罰則を厳しく判断することも視野に入れている。再発防止策に危機感を持って取り組んでいく」

須藤「本事案は一部サポーターと、クラブの土田と西野が話し合いを行い、広報スタッフも同席していた。この話し合いは冷静なものであり、この時点で警察は撤収していた。バックスタンドの名古屋サポーターから言葉が発せられ、挑発と受け取った20名ほどの浦和サポーターが乱入した。止めようとしたものいたが止められず、50名ほどがバックスタンドに入った。警備員なども止められず、結果的に約100名が侵入した。その後、浦和サポーターの代表が名古屋サポーターの代表で話し合いを行って収束し、JFA、Jリーグ、愛知県サッカー協会、浦和、名古屋、両サポーター代表の同席で事実確認がされた。その中では、双方に暴力はなかった。横断幕などに破損はあったが和解した。ただし、後日に被害届など出れば対応する。処分については暴力をふるっていないという内容を含むものを判断材料にして、ガイドラインをもとに決定した。ただし、調査は継続している。申し出は違反者の発覚があれば、さらに適正な処分を行う」

――事態の要因は?

田口「規則、ルールを守る意識、それを正すチームの姿勢に問題があった。過去から同じような問題が繰り返され、指摘されている。スタッフも何もしなかったわけではなく、私も7か月ここにいるが、一生懸命にやってくれている。ただ、結果を伴わなければ評価に至らない。仕組み、いわゆるお互いに価値観を話しても歩み寄れないこともある。それが理想だが、再発防止策には規則の厳格化、このような事象を二度と起こさないようには、規則の厳格化をすることでけん制になるし、二度と起こさないという強い姿勢が必要。覚悟を持ってやっていきたい」

――過去の事案を含めての経験はあると思うが、今後について。

須藤「長年、やらせてもらっていて、サポーターとの対話を大事にしてきた。継続して対話する、何か起きたら対話する、それで納得して処分してきた。ただ、『それでいいのか』という時期にも来ている。時代も変わっている。周辺にも理解を得ながらやっていかなければいけない」

田口「処分の厳格化といったが、処分が目的ではなく抑止力になって違法行為を起こさせないことが目的。本来は処分などない方がいいが、私たちの力不足もあるのか、対話を繰り返していくが、抑制できないときには仕組みを作っていく」

――処分の甘さが指摘されている。

須藤「事実確認を行い、JFA、Jリーグのガイドラインがある。それに則って処分が決まる。恣意的に処分を軽くしていることもない。今後、違う事実が出てくれば処分は行われる」

――処分の厳格化とは?

須藤「基本的にはガイドラインに則っているが、(今後は)それよりも重く処分することを検討することが始まっている段階」

――処分の対象人数の差異について。個人は特定されているのか。今後の調査は?

須藤「77名というのは現状の人数。JFAなどビデオなど映像の調査も始まり、今後申し出てくる人もいるかもしれない。100人を数えたわけではなく約100名。そのリストが全員にはなっていないので進めているところ。1名のリーダーについては、立場的に止められなかったということ。主導したのではなく、止められなかったということ。31名が把握され、45名については止めに入った者も含まれるのでそこに入る」

――特定されていなければ処罰できないのでは?

須藤「明日のホームゲームでもサポーターと対話しながら進めていく」

広報「個人として把握できているものと、サポーターのグループのリーダーが把握して、クラブとの連携で人数が分かっている人がいる。そこが混在しているのが数字の内訳になっている」

――サッカーを自分たちの欲求を満たすための手段にしているような人がいるのでは?

田口「いろいろな観戦の仕方があると認識しているし、多様性もあるが、今回の違反を起こしたサポーターは非常に熱狂的な人たち。応援の仕方について、それぞれに任せるのが基本だが、守られるべき規則を超えてはいけない。静かに見たい方、相手をリスペクトして、相手のいいプレーや試合後には拍手をしたいのもスポーツのいい部分であり、色々な見方も尊重しないといけない。そういう中で、一部の意見だけを尊重したきらいはある。今後、そのような形の見方も尊重していかないといけない。そのような理由で足を運ばなくなってしまった方も数多く出ている。そういう方にも何とかして戻ってもらいたいが、並大抵のことではない。長い時間をかけてこのような関係ができてしまった。地道にやってく必要がある」

――罰金をクラブが全て負担することの是非。

田口「損害賠償について、もちろん昨年のことはスタッフ全員が承知している。賠償の考えについては、損害賠償も1つの選択と考えている。クラブが責任を負っていて、責任を負っている以上は。そうでないなら処分をするということになる。賠償をサポーターに科せば、金を払っているからいいじゃないかとなりかねない。そこはクラブの責任として払うのは基本。ただし、器物を破損した場合の修繕費などは実際の行為者に負担させるのは1つ」

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