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女子W杯の「地域別突破率」 強豪ドイツ、ブラジル敗退の衝撃…アジアはなでしこが“孤軍奮闘”
アジアの突破は日本と開催国オーストラリアのみ ドイツ敗退の欧州勢は?
オーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ(W杯)は、8月3日にグループステージ最終日を終えた。今大会から32チームに拡大された大会だが、地域別に見た傾向では欧州勢とアフリカ勢が高い突破率を記録。アジアは苦戦傾向になった。
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前回2019年フランス大会では24チームが参加したが、今大会は8チームが増えた。その内訳は、大陸間プレーオフなどの割合とは別に結果的に出場したチーム数でみると、欧州と北中米がプラス3、アジアとアフリカがプラス1になった。この増加した4地域は、前回大会で出場したチームの60%以上が決勝トーナメントに進出していたことからも妥当な配分と言えそうだ。
なでしこジャパン(日本女子代表)の活躍が話題となっているアジアは、前回は5チーム中の3チームが決勝トーナメントに進出していたが、6チームに増えた今回は日本とオーストラリアのみ。突破率は33.3%にとどまり、1試合あたりの平均勝ち点も1.22にとどまった。日本が3連勝の勝ち点9(1試合平均3点)を獲得していることからも、他のチームが苦戦していることが浮き彫りになる。ベトナムは3戦全敗、韓国は1分2敗で大会を去った。オーストラリアを開催国枠と見れば、5チーム中の日本のみ生き残ったので突破率は20%、1試合あたりの平均勝ち点は1.06まで下がる。
前回は9チーム中の8チームが突破した欧州勢は、12チームに増加した今回も同じ8チームの突破。そのため突破率は66.7%に下がった。ただし、今回は4グループで欧州勢が同組に2チーム入り、3位での救済がなくなったことから条件は厳しくなったと言える。FIFAランキング2位のドイツが敗退したことは驚きを与えたが、オランダとアメリカが同組に入ったポルトガル、スウェーデンが同組だったイタリア、開催国オーストラリアと東京五輪金メダルのカナダが同組だったアイルランドといった組み合わせの厳しかったチームが姿を消した。
それでも欧州勢が1試合あたりの平均で獲得した勝ち点は1.86となり、6地域に分類した中でトップ。いわゆる「潰しあい」も発生していることを考えれば、現在の女子サッカーの中心が欧州に移っていることは数字からも導かれるだろう。
また、前回は3チーム中2チームの突破だったアフリカ勢は、今大会4チーム中ザンビアを除く3チームが進出。突破率は6地域でトップの75%をマークした。1試合あたりの平均勝ち点も1.5と欧州に次ぐ数字をマークしているが、その3チームは全てが2位通過。グループの中で突破の本命ではない立場から、ナイジェリアはオーストラリアとカナダを相手に引き分けで乗り切り、初出場のモロッコが2勝をマーク。南アフリカは最終戦でイタリアに勝利するなど勝負強さを見せた印象だった。
今大会で苦戦が顕著…北中米地域の平均勝ち点は唯一1点を割る
逆に出場チームが3チーム増えた北中米は苦戦した。前回は3分の2が突破したが、今回は6分の2に下がって突破率は33.3%だった。優勝候補アメリカが勝ち点5の2位通過で、コスタリカ、ハイチ、パナマの3チームが3戦全敗。1試合あたりの平均勝ち点は0.78で唯一1点を割った。3試合無失点でブラジルを敗退に追い込んだジャマイカの健闘はトピックだが、五輪女王のカナダは敗退。女子サッカーを引っ張ってきた北米地域の苦戦が表面化している。
南米勢はブラジルが敗退に追い込まれたが、コロンビアがドイツの入ったグループを突破。出場枠が3チームで変わらない中、突破率も33.3%で変わらなかった。ただし、1試合あたりの平均勝ち点は1.22でアジアと並んだことからも全体的な苦戦は否めない。そして、開催国でありオセアニアから唯一出場のニュージーランドは、勝ち点4を稼いだもののグループでの敗退だった。
前回大会では優勝こそアメリカだったが、8強のうち7チームを欧州勢が占める事態になった。なでしこジャパンの前にはノルウェーが立ちはだかるところからスタートする決勝トーナメントだが、再び欧州勢が強さを見せることになるのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)