マンチェスター・Uを倒す! レギュラー奪還を目指す、吉田麻也の決意
アーセナル戦で存在感を示した吉田、マンU相手に結果を出せるか
この好調を裏付けるように、昨夜のアーセナル戦でも、オランダ代表で名センターバックとしてならしたクーマン監督が鍛えた守備陣のパフォーマンスは素晴らしく、強豪相手のアウェイで一歩も引けを取らないクオリティを見せた。
その中に、我らの日本代表DFはいて、堂々とプレミア戦士としての存在感を示していた。
しかし麻也は、存在感を示す、いいパフォーマンスをしたというところではもう満足できないという。
躍進し続けるサウサンプトンの中で、まさにサバイバルといえるレギュラー争いを経験し、ハングリーさをむき出しにするそんな日本代表DFに今、数人の故障者と、プレミアの年末年始の過密スケジュールが味方しようとしている。
この試合で太もも裏を痛めたアルデルバイレルトの状態に関しては、試合直後の会見でクーマン監督が、「最低でも復帰に2週間」と言及。ボランチのシュナイデルラン、コークの復帰もはっきりしためどは立っていない。こうした状況で、来週月曜日にはマンチェスター・U戦が控えている。
「ある意味こういう(怪我人が出る)チャンスの中でしか出番がないと思っていた。チームとしてアクシデントがある中で、いかに自分が出て、チームの中でいかに自分の価値を手繰り寄せられるか。こういうところでしか監督の信頼を得られるところがないと思う。12月にはそういったチャンスがあるだろうと分かっていた。次こそ結果を出せるようにしたい」
もう麻也には相手が強豪だ、世界的に有名な選手たちだという感覚は薄れているという。たとえ相手がマンチェスター・Uとはいえ、「結果を出す」という気持ちを一杯にしてぶつかるだけだ。
「フィジカル的にはフィットしているし、みんなより疲労は溜まっていない。あとはメンタル的な部分。中4日、月曜日の夜なので、そこに向ってしっかり切り替え、ポジティブに挑みたい。次はホームだし、これ以上勝ち点を落とせない。逆に僕にとってはすごく大きなチャンス。このチャンスをつかむかどうかは、後半戦に向けて、僕にとって大きな意味がある。いい準備をして、いいパフォーマンスを見せたい」
最後にやっとここに来て我慢が実りそうだねと聞くと、麻也は「そういうことは結果を出してからいいたい」とひと言。あっという間にプレミアの強豪にのし上がったサウサンプトンの中で、日本代表DFは、クラブの進化に呼応するように急成長を遂げながら、レギュラー奪還を目指す、新たな挑戦の時を迎えようとしている。
【了】
森昌利●文 text by Masatoshi Mori
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images