マンチェスター・Uを倒す! レギュラー奪還を目指す、吉田麻也の決意
アクシデントの際の「ファーストチョイス」も「それで終わりたくない」
クーマン監督も試合後、何度も「アンラッキーだった」と繰り返した。守勢に回ったこのぎりぎりの試合で、中盤の底のキーマンだったベルギー代表DFが抜けた。しかも交代枠は使い切っていた。
結局、この負傷退場が最大の敗因だった。
しかし麻也はこう語る。
「ダブルボランチで、そこを自由にやらせない形ができていたんで、(アルデルバイレルトが)抜けたのは確かに痛かったです。けれどもそれ以上に、自分が出て結果が出せないというのが悔しい」。
強豪相手にいくらいいパーフォマンスをしたからといって、それだけでは現在リーグ3位と好調のチームでレギュラーは取れない。日本代表DFは、あくまで大切なのは「結果」と話し、「控えとしてベンチに置いていて都合のいい選手という立場から脱却したい」と続けた。この言葉は、現在センターバックのレギュラーをがっちり固めた、ポルトガル代表DFフォンテ、ベルギー代表DFアルデルバイレルトに挑戦状を叩きつけるものだった。
その強烈な思いは次のコメントでも明確だ。
「(監督の信頼を得ているとは)それほど感じない。逆に他の2人が勝ち得ているので。でもやっぱりああいうアクシデント(コークの負傷退場)が起きた時にファーストチョイスとして使ってもらえるというのは、練習からしっかり見てくれているんだなと感じます。けれども、それで終わりたくないし、そこから一皮むけて、レギュラーとして信頼してもらえる選手になっていきたいと常々思っている。やっぱりそこの殻を破れるかどうかが鍵になると思う」
もはや今のサウサンプトンは、麻也が入団した頃のクラブではない。
移籍してきた当初、日本代表DFが「身の丈に合ったクラブ」と語ったサウサンプトンだが、プレミア昇格1シーズン目の残留争いを余裕でクリアすると、2シーズン目となった昨季はプレミアの新興勢力としてその存在感を示し、8位に躍進。今季はさらなる大躍進を遂げ、現在14試合消化で8勝4敗2分の勝ち点26は堂々リーグ3位。欧州CL出場権獲得さえ夢ではない位置につけている。