女子W杯、2位通過のアメリカ選手の“振る舞い”にOG落胆&警鐘 「踊って、笑って…」「傲慢になるという一線を越えてはいけない」
元米代表MFロイドさん「あんな光景は見たことがない」とポルトガル戦後の選手に厳しい言葉を贈る
アメリカ女子代表は、8月1日のオーストラリアとニュージーランドで共催の女子ワールドカップ(W杯)グループリーグ最終戦でポルトガル相手に0-0のドローで試合を終えた。この結果決勝トーナメントへ2位通過となったアメリカだが、選手らの試合後の行動に、厳しい声がレジェンドから飛んでいるようだ。
なでしこジャパン(日本女子代表)とこれまで世界大会の決勝で何度も対戦してきたアメリカ。FIFAランキング1位と強さを誇るチームが、今大会のグループリーグでは苦戦する。E組に入ったアメリカは初戦ベトナム相手に3-0の勝利を挙げたが、続くオランダとの対決で1-1のドローに。
迎えた最終戦はポルトガル相手に牙城を崩せず0-0の結果となり、勝ち点「5」で首位オランダに続く2位通過となった。決勝トーナメント進出を決めたアメリカの選手たちは、試合後に現地サポーターと喜びを分かち合ったが、この姿に厳しい声もあがっている。
英メディア「スポーツ・バイブル」では今大会の勝ち上がりを「ギリギリのところで勝ち点を5としたアメリカは、ワールドカップのグループリーグでは過去最悪の成績となった」と報道。しかし、「FWアレックス・モーガン、ミーガン・ラピノーら選手は、試合後にファンと写真を撮り、ハイタッチをするなど祝福モードに包まれていた」と現地の様子を伝えた。
そうした背景から、「アメリカ、W杯グループステージでの『物足りない』パフォーマンスに非難の声」と、「FOXスポーツ」の番組に出演した元アメリカ代表MFカーリー・ロイドさんのコメントを紹介した。
「あんな光景は見たことがない。ファンに敬意を払うことと、家族に挨拶することは違う。踊って、笑って。つまり、この試合の最優秀選手はあのポストだった。今すぐ家に帰らなくてラッキーだった」
ロイドさんはポルトガル側の惜しいシュートが、ゴールポストに阻まれた場面を引き合いに選手たちの行動を非難。「チームの元気のないパフォーマンスは、喜ぶべきことではない」と主張しているという。
「当たり前のことを当たり前だと思わないでほしい。ジャージを着て、自分より先に来た人たち、自分より後に来る人たちのために全力を尽くしてほしい。その情熱が私には感じられない。勝つこと、トレーニングすること、個人として最高の選手になるために全力を尽くすことが、できていない。自信を持つことはいいことだが、傲慢になるという一線を越えてはいけない」
次々と厳しい言葉を並べたロイドさん。決勝トーナメントでアメリカは8月6日、G組を勝ち上がった強敵スウェーデンと激突予定。勝ち上がれば、なでしこジャパンと準々決勝でぶつかる可能性もある。かつて日本を2012年のロンドンオリンピック決勝で苦しめた(ロイドさんが2得点)レジェンドの警鐘は、本人たちにも届いているのだろうか。