永遠の“サッカー少年”中村憲剛とクラブ世界一決定戦 二度のバルサ戦から得た衝撃と刺激
胸の中で沸き起こったシンプルな感情
「2002年にW杯が日本に来ましたが、それ以前に世界を体感できる機会は限られていました。僕らが小さい頃は今のようにいつでも世界各国のリーグの試合を見られるわけではなかった。だからこそ、トヨタカップが楽しみだった。今の子どもたちがうらやましいですよ」
昨年のFIFAクラブワールドカップでは、バルセロナの試合にスタジオゲストとして参加した。「割と素人目線で見ていました」と言って笑う姿は、サッカー少年時代のそれと少しも変わらない。
「以前、サントスと決勝をやった試合を観に行ったことがあったんですが、生で見たのはそれ以来でした。ブスケッツのことはずっと推してますけど、“MSN”は強烈でしたね。テレビだと、ピッチ全体を見られない。バルサを俯瞰(ふかん)で見ることができて凄く勉強になりました。ずっとバルサを見てきているので、単純にファンとして楽しかった。でも、一番は選手として戦いたくなった。そういう刺激は受けましたね」
その時、フツフツと沸き起こったのは、「この舞台に立ちたい」というシンプルで、ストレートな感情だった。
「過去、クラブW杯にJリーグ勢が出場してきたことはうれしい半面、やっぱり悔しい。普段対戦しているチームが、世界に出て行って戦っている。うらやましいと思うと同時に、『クソッ』という嫉妬もあります。それは当たり前。去年、バルサを見て絶対に今年出たいと思いました」