永遠の“サッカー少年”中村憲剛とクラブ世界一決定戦 二度のバルサ戦から得た衝撃と刺激
ライーの2得点は「衝撃的だった」
「ライーのプレーが強烈な記憶となって焼きついています。その時のバルサがとても大好きだったので、圧倒して勝つものだと思っていた。だけど、そのバルサに、サンパウロがライーの2点で勝ってしまった。衝撃的でしたね」
当時のバルサを率いたのは、名将ヨハン・クライフ。ピッチ上にはジョゼップ・グアルディオラに、ロナルド・クーマン、ミカエル・ラウドルップ、フリスト・ストイチコフといった多士済々のスター選手が名を連ねた。あの“ドリームチーム”が、日本にやって来たのだ。中村少年は目を輝かせ、そのワンプレー、ワンプレーを見逃さないようにと、前のめりになってボールを追い続けた。
試合は前半12分に、ストイチコフのミドルで幸先良くバルサが先制したが、そのリードは長続きしなかった。
サンパウロのエレガントなゲームメーカーが、バルサの前に立ちはだかる。同27分に、カフーのライナー性のクロスを腹でコースを変えて同点。後半34分にはFKからGKアンドニ・スビサレータがその場に立ち尽くす一撃を突き刺し、2-1でドリームチームを夢から目覚めさせた。中村は、衝撃を受けたライーのプレーを喜々として言葉にする。