川崎MFが体感した独王者バイエルン メッシと「似たような感覚があった」選手とは?
橘田はバイエルンを「スピード感や力強さがある」と分析
J1川崎フロンターレは7月29日、国立競技場でドイツ1部バイエルン・ミュンヘンと対戦して0-1で敗れた。この日先発を飾ったMF橘田健人は、昨年のフランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)戦(1-2)にも先発出場しており、PSG戦とバイエルン戦を合わせて最も長時間ピッチに立っていた選手になった。バイエルンで最も強いインパクトを受けた選手を尋ねると、ドイツ代表MFジャマル・ムシアラの名を挙げている。
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バイエルンは昨季ブンデスリーガ11連覇を達成。来日直後の26日にプレミアリーグ&UEFAチャンピオンズリーグ(CL)王者のマンチェスター・シティと国立競技場で対戦したが、接戦の末に1-2で敗れていた。対する川崎は、苦しんだシーズン序盤を抜け出し、直近の公式戦4戦無敗と復調の兆しを見せるなかで、世界最高峰クラブとの試合に臨んだ。
川崎はハイプレスから高い位置でボールを奪い、開始直後から決定機を生み出した一方、バイエルンはムシアラ、MFジョシュア・キミッヒ、FWセルジュ・ニャブリを起点に緻密なパスワークで幾度となくビッグチャンスを演出するも、ネットを揺らすには至らず、前半はスコアレスで折り返した。後半に入り、メンバーを大幅に入れ替えた両チームだが、スコアを動かしたのはドイツ王者だった。後半12分、前線に走り込んだDFヨシプ・スタニッチがゴール前で受けたパスを冷静に流し込んで先制点を奪った。
その後も互いにゴールを目指すも、試合はバイエルンが1-0で制した。この日先発を飾った橘田は、昨年に行われたPSGとのプレシーズンマッチでも先発出場しており、PSG戦とバイエルン戦を合わせて、合計161分間の出場と、川崎の選手の中で最も長時間ピッチに立った選手となった。
2つのビッグクラブの相違点について尋ねると、「強かった印象で言うと、PSGですかね。バイエルンはスピード感や力強さがあって、また違ったストロングポイントがあったけれど、とにかく上手かったと感じたのはPSGだなと」と、当時はFWリオネル・メッシ(現インテル・マイアミ)、FWキリアン・ムバッペ、FWネイマールの3トップが揃い踏みだったPSGに強い印象が残っていると明かした。
橘田はムシアラに脱帽「本当に上手い」
そして、両チームにおける共通点についても指摘。「PSGもバイエルンも、チャンスの時にかける枚数だったりスピードの加速だったりは、絶対に見逃してくれない。オーバーラップで選手が湧き出てくるようなあの迫力は、やはり世界だなと感じた」と、“勝負どころのスイッチの入れ方”に感銘を受けていた。
また、バイエルンで最もインパクトを受けた選手について尋ねると、「やはり、ムシアラですね」と即答。20歳にしてバイエルンとドイツ代表で不動の地位を築く司令塔の名を挙げている。
「去年はメッシと対戦したけれど、本当に上手かった。ムシアラとは直接マッチアップしたわけではないですけど、近くで見ていて、彼もターンだったりが本当に上手くて、スピードと怖さもあって、少し似たような感覚があった」
シティ戦にも出場していたムシアラは、川崎戦と同様に、複数人の守備網に囲まれながらも、絶妙なタイミングで縦パスを受け、すり抜けるようなボール運びで多くのチャンスを演出していた。どれだけタイトに寄せても柔らかなターンから状況を打開してしまうムシアラの独特なプレーやリズムは、確かにメッシを彷彿させるのかもしれない。
(城福達也 / Tatsuya Jofuku)