川崎が勝負強くなるためには? 退任する風間監督が置き土産に語る「勝ち切るチームになる要素」

川崎は鹿島に0-1惜敗でCS準決勝敗退

 等々力陸上競技場に、夢の終わりを告げるホイッスルが鳴り響いた。大久保嘉人はその場に泣き崩れ、中村憲剛が呆然と立ち尽くした。しかし、タッチライン際には普段と変わらぬ表情と振る舞いに終始する風間八宏監督の姿があった。

 川崎フロンターレは23日、Jリーグチャンピオンシップ(CS)準決勝で鹿島アントラーズと対戦し、ホームで0-1と惜敗した。

「入らない時は入らないものですね。でも、選手たちは自分たちが勝つんだ、という気持ちがあって、僕が来た当初と比べても、はるかに自分たちは強いチームだと自覚できていますし、すごく逞しくなったな、と。本当に残念なことに、今日の試合には負けたが、決して全てにおいて負けたとは思っていない。素晴らしい戦いをしてくれた敗者だなと思うし、次につながる一戦になったと感じている」

 試合後、風間監督は打ちのめされた様子を一切見せることなく、いつも通りの姿勢で記者会見に臨んでいた。

「監督の一番の仕事は試合までの練習にある。試合は、あくまでその答え合わせに過ぎない。だから、その結果で監督が一喜一憂しても仕方がない」

 風間監督は以前にそのような言葉を口にしていた。勝っても負けても、変わらぬ姿勢を貫くのは、そのような信念から来るものなのだろう。できる限りの準備をして臨んだ試合。監督が最も力を注ぐべきはそれまでのプロセスにあり、試合が始まれば、ピッチ上で戦う選手を信じるだけ。風間監督がぶれることは最後までなかった。

 今季は監督就任以降で最もリーグ制覇に近づいたシーズンとなったが、もう少しのところで悲願のタイトルを手中に収めることができなかった。チャンピオンになるにふさわしいチームではあったものの、勝負弱いイメージを払拭するには至らなかった。

 川崎はどうすれば勝ち切れるチームになれるのか? 今季限りでの退任が決まっている風間監督は、その道しるべを提示した。

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング