ハーランドは「レベルが違う」 マリノス両CBの畠中&エドゥアルドが体感「視界から消えて…」
キャプテン喜田が「自分たちの良さを出しに行った」と試合を振り返る
わかっていても、止められない。2022-23シーズンの公式戦53試合で52ゴールを挙げたマンチェスター・シティのノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランドは、誰もが危険なストライカーだと知っている。彼がピッチに立てば、誰もが警戒する。それなのに止められない。
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2023-24シーズンの開幕に向けて、始動してわずか4日のマンチェスター・シティは、7月23日にJ1横浜F・マリノスと対戦した。2-2で迎えた後半に出場したハーランドは、ピッチに立ってわずか7分後に逆転ゴールを決めると、後半のアディショナルタイムにもダメ押しゴールを決めた。
キャプテンのMF喜田拓也が「引きたくなかったし、尻込みしたくなかったんで。ビルドアップもチャレンジしながら、前に行きたかったし、プレスもできるだけ前から行って、引っかけてチャンスを作りたかった。見ていた人がどう感じていたかはわかりませんが、行ける限りは行きたいというのがありつつも、やはりクオリティーで凌駕された。でも、それを体感するために、自分たちの良さを出しに行った」と話したように、横浜FMは欧州王者を相手に前に出て行った。
5失点を喫した背景には、そんな影響もあっただろう。そうした状況下であったとはいえ、ハーランドと対峙した横浜FMの両センターバックは、何を感じ取ったのか。
横浜FMの両センターバックが振り返ったハーランド
フル出場したDF畠中慎之輔は、ハーランドと対峙した後半の45分を「ああいうワールドクラスの選手と対峙することは滅多にないので、すごく楽しかったです。1つ1つの駆け引きで、いろいろ勉強になりました。まだ相手はベストコンディションではないと思います。そのなかでもしっかり結果を残されたので、チームとしていかにどう防ぐか。そこもまだまだ成長しないといけない。個人としては、本当に良い試しができたのは間違いない」と、振り返った。
そして、ハーランドとピッチ上で対峙して感じた強みについて「常にゴールをとるためにどうポジションをとるか、どう駆け引きするかをずっと狙ってくる。自分もなるべく視野に入れて、ボールから遠ざけるように守備をしていましたけれど、それでも視界から消えて動き出したり、そういうのが上手だなと感じました」と、分析した。
縦パスを受けたハーランドに対して畠中が強く行き、ファウルになる場面もあったが「ファウルになってしまったのですが、感覚としてあそこで取れたらチームがチャンスになりますし、取りどころという意味では、あそこではしっかり取らないといけなかった。あれをファウルなしで取れるようになれれば、自分もまた成長できるのかなと思います」と、しっかりと課題も与えられていた。
同じくセンターバックで先発していたDFエドゥアルドも「クオリティーはもちろん高いのですが、チャンスをしっかりモノにするところでレベルが違う。世界でもナンバーワンを目指す1人だなということを目の前で見ることができた」と、印象を語った。
また、警戒しているにも関わらず失点をしてしまう要因については「何よりもゲームを読む力。ゲームのなかで、どういう動きをすればいいのか。特にDFから逃げていつの間にか見えないところに行く動きが秀逸だった」と、ハーランド個人の動きを称えるとともに、シティで1シーズン戦い、ゴールを量産した経験がある強みも指摘した。
「あとはチームとしても、しっかり出来上がっているチームです。彼がどういうことをやるのか、どういうところに動くかを、みんながチームとしてわかっている。そのなかで、さらにハーランドが良い動きでフリーになって、与えられたチャンスをモノにする。だからこそ昨シーズン、ほぼすべてを勝ち取ったレベルの高いサッカーができているのだと、改めて感じました」
スコットランド王者セルティック、イングランド王者マンチェスター・シティとの2試合で、9得点9失点となったJ王者の横浜FM。欧州の強豪からでもゴールを奪えるという自信をとどめつつ、クオリティーの高い相手に喫した失点の要因をつぶしていければ、再開後のリーグ戦に向けて、大きな意味を持つ2試合になるはずだ。