号泣の大久保がホームに別れを告げるラストゲームで川崎に愛ある叱咤 「決定的に足りないのは…」
「最後は笑って終われるように」
大久保は厳しい言葉を並べた。しかし、それは川崎を想ってこその言葉だった。試合後のピッチで俯き、号泣していた姿はもうそこにはなく、いつもの力強い表情で最後のタイトルを見据えていた。
「まだ天皇杯が残っているからね。これが最後。最後は笑って終われるようにしたいね」
4シーズンにわたってスカイブルーの「13」を背負った男の勇姿は、この日で見納めになったわけではない。風間監督の下で悲願の初タイトル獲得へ――。チームメートに対して発した厳しい言葉によって、大久保は自らを奮い立たせているようにも見えた。
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城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web