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中国1部の昨季王者を率いる日本人監督、中国サッカー界に提言 「育成から立て直すべき」
実績のある高畠勉氏が中国1部・武漢三鎮の新指揮官に
高畠勉氏と言えば、現役時代に富士通サッカー部(現川崎フロンターレ)でプレーし、引退後は川崎やJリーグ・U-22選抜の監督、U-21日本代表コーチを務めた実績ある指導者として知られる。
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その高畠氏は今年6月、中国1部・武漢三鎮足球倶楽部の監督に就任した。同チームは昨年の中国超級リーグで昇格即初優勝し、今年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)にも参戦する強豪だ。なぜそのチームに高畠氏がいるのかというと、高畠氏は2016年から中国でキャリアを積んでおり、河北華夏幸福(財政難で昨年限りでリーグ脱退)のユースチームを皮切りに、広州恒大のユースを経て、昨年から乙級リーグ(3部相当)の海南之星の監督を務めていた。
海南之星は実質、武漢三鎮のサテライトクラブであり、6月に武漢三鎮の成績不振でスペイン人の前監督が辞任後、中国を知り実績ある指導者でもある高畠氏に白羽の矢が立ったというわけだ。また、アシスタントコーチとして元日本代表の黒崎久志氏も同時に武漢へ来ている。黒崎氏も昨年まで山東泰山でアシスタントコーチを務めていた。
高畠氏が就任して約1か月、カップ戦で格下に勝利したほかにリーグ戦では2勝2分1敗とまずまずのスタートを切っている。中国最大のサッカーメディア「懂球帝」によれば、ガーナ人FWヤクブは「高畠新監督が来てから、我慢とコンビネーションを強調して訴えていて、チームはどんどん良くなっている」と肯定的なコメントをしているという。
中国サッカー界は不動産バブル崩壊やゼロコロナ政策の影響で、クラブの解散や選手流出、給与未払いといった問題が続出して危機的状況にある。高畠氏はリーグ第17節・北京国安戦(1-1)後のインタビューで中国サッカーの置かれた状況に対して「育成から立て直すべきだ」と語っている。
「私が中国に来たばかりの頃(2016年)はたしかにバブル時代で、多くの有名な指導者や選手がいた。当時はこれから中国サッカーの躍進が始まると思った。私はユースチームを率いていたが、バブル期におそらく一部の下部組織の選手たちも多くの収入を得て、道を見失い、成長できなかった。もちろん成長して高いレベルに達する選手もいた。今、中国の各クラブは育成から立て直すべきで、一部分にあまりに高額な投資をすべきではない。バブルは去ったが、いいことかもしれない」
武漢三鎮は現在8位でリーグ2連覇は厳しいが、9月に開幕するACLで、Jリーグ勢の前に高畠監督と中国リーグ王者がどんな戦いを見せるか興味深いところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)