「1分半は長すぎる」 福岡×札幌、プレー続行→ファウル&PK判定の過程に元日本代表&元主審が見解

福岡×札幌で起きたVAR介入シーンに反響(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
福岡×札幌で起きたVAR介入シーンに反響(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

「Jリーグジャッジリプレイ」で佐藤兄弟と家本政明氏が見解

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、7月8日のJ1第20節アビスパ福岡と北海道コンサドーレ札幌の試合が取り上げられた。ここでは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)介入によって札幌にPKが与えられた場面と、そのオンフィールドレビュー実施までに約1分半がかかったことが議論された。

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 後半13分、札幌は左サイド方向からパスを受けたMF駒井善成が反転したところで福岡DFドウグラス・グローリと接触して転倒。ペナルティーエリアのライン付近の際どい位置だったが池内明彦主審は反則と判断せずにプレーを流した。その後、約1分30秒後にプレーが切れたタイミングで吉田哲朗VARから進言されたオンフィールドレビューが実施されると、ファウルとPKの判断になった。

 ゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏は「上手く駒井選手が反転したところ、ペナルティーエリアの中か外かギリギリで難しいと思うが、足がかかっているのは間違いない。駒井選手の身体の動きを見るとロックされているような形になっているので、ファウルで妥当だと思う」とコメント。同じくゲスト出演した元日本代表の双子の兄・勇人氏は「ファーストタッチをしっかり止められているし、少し戻る方向に止めていてシュートに持っていけるかは気になるけど、足がかかっているのは間違いない」と話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「この(映像)アングルで見た時には、ボールにチャレンジできていないプレーでパッと見てファウルと分かると思う。ゴール裏から見ると、レフェリーとこの事象は串刺しというか被ってしまう。主審は1回笛を吹きそうになるけど、ノーにする。ただ、このノーはコンタクトを確認できていないから。そのため、見過ごされた。ただし、状況的にレフェリーがどこにポジションを取るかというとここなので、現場では難しいと思う」と最初の判定について触れた。

 また、VARの判断については「反則かどうかはすぐに分かると思う。VARはオフサイドカメラが16.5メートル(ペナルティーエリアのラインの延長線上)にあるので、ラインより明らかに中と言えると安心できる。リプレイのアングルだと、『中であろう』なので。横のアングルがあるほうが分かりやすい。それはVARが見ているはずなので、1分半は長すぎる。最初のアングルでファウルと見て、次にオフサイドカメラを見る。そうなると、中だとなってストップ・ザ・ゲームとなり1分以内にコールできたのではないか」と話した。

 家本氏はVARが主審にプレーを止めるコールをするタイミングについて「どちらかの明らかなシュートチャンスなら考えるが、確認できた時点で止める」と話す。また、勇人氏による「この間(1分半の時間)に何か起こったら、どうするのか」というコメントもあったが、家本氏はこの間にイエローカードやレッドカードに該当するプレーが起こった場合について次のように解説している。

「懲戒罰は2つに分かれていて、ダメージに対するものと状況に対するものに分かれる。SPAやDOGSOなど状況に対するカードはなくなる。ただし、相手を傷つけるような行為のイエローカードやレッドカードは、傷つけた事実は変わらないので生きる。状況は成立しないからなくなるが、事実は消えないのでなかったことにしないということになっている」

 全体的に、判定変更には異論がないもののVAR介入までに長い時間がかかったことへ疑問が呈される形になっていた。

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