柏×湘南、VAR介入の2シーンに脚光 「入らなくて良かった」と元日本代表&元主審が見解を述べたのは?
「Jリーグジャッジリプレイ」で佐藤兄弟と家本政明氏が見解
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、7月8日に行われたJ1リーグ第20節、柏レイソルと湘南ベルマーレの試合が取り上げられた。ここでは、試合中に2回あった決定的な得点機会阻止(DOGSO/Denying an Ovious Goal-Scoring Opportunity)の可能性があるプレーとVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が取り上げられた。
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まずは後半27分、柏が右サイド方向から攻撃してMF小屋松知哉が背後に抜け出した瞬間を湘南DF山本脩斗が倒してファウル。今村義朗主審は山本に大きなチャンスになり得るプレーをファウルで阻止した(SPA)と判断してイエローカードを提示したが、上田益也VARはDOGSOの可能性があるとして介入。オンフィールドレビューの末、今村主審は判定を変えずにイエローカードと柏へのフリーキック(FK)とした。
続く後半32分、湘南はGKソン・ボムグンから最終ライン背後へ一発のロングボール。これにFW大橋祐紀が抜け出そうとしたところ、柏のDF立田悠悟が右腕を回すようにして倒した。ボールはバウンドして柏のGKまで到達したが、上田VARが立田のファウルとDOGSOの可能性があるとして介入。今村主審はオンフィールドレビューの末、立田のファウルとDOGSOによるレッドカードに判定を変更した。
ゲスト出演した元日本代表FW佐藤寿人氏は、「最初のシーンはゴールまでの距離や位置、DFの枚数を考えても(判定が)間違っていないと思う。VARも入らなくていいかなというくらいに思う」とコメントした。
佐藤氏は続く場面について、「バウンドに対してコントロールする、しないはあると思うが、最初に笛が吹かれなかったというところでは主審から見ると、立田選手と大橋選手でどちらかというと大橋選手が前に身体を入れて、最終的には腕で引っ張っているけど、その場所が見にくかった。副審もレイソルの選手と重なって確認しづらかった。VARがなかった時代は見逃されていた。攻撃側の選手からするとこれだけ前に出て、スプリントしてシュートできる感覚だと思う。最終的に腕でブロックするプレーがなければシュートまでいけたと思う。(退場で)やむなしだと思う。GKが先、FWが先というのは、ルーズボールというか攻撃の選手は間に合う感覚だと思う」と話した。
立田のレッドカード判定は「妥当」か
同じくゲスト出演した元日本代表の双子の兄・勇人氏は「最初のほうはイエローカード、それ以上はないと思う。ボールもサイドに流れているし、湘南のDFも中に2枚いる」とコメント。2つ目のシーンについてはDFの目線で「立田選手が何をしたかったのか。まずはヘディングで相手の上から叩きたかったと思うし、次は相手にコントロールさせたところを狙うのもあると思う。それにしても落下地点に対してポジションが前すぎて、コントロールさせるならくっつきすぎ。最後のところでうしろ重心なので、この状態で腕を掴まずに走るとターンに時間が掛かって無理だと思うので、右手が出てしまったと思う。これは止めにいって、ボールもゴールに向かっていて赤(レッドカード)で仕方ない」と話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は最初のシーンについて「正直、どうして(VARが)入ったかなと思った」としつつ、サイド方向からのDOGSOの判断が難しい事例も紹介。ただし、今回については「ボールの進行方法や距離、勢いを考えた時には、ファウルの瞬間でストップすると退場もあり得ると思うが、流してみると明らかなレッドカードとは言えない場面でイエローカードで良く、VARが入らなくて良かった」と話した。
一方で2つ目のシーンについては「(考慮点は)ボールコントロールの可能性だけだと思う。ただ、(ボールが)浮いているところでヘディングもできる。100%レッドカードではないとは思うが、VARは絶対に入る。また、副審は(立田の)右腕が見えると思うし、主審もこれは見てほしい。少なくとも副審はオフサイドが関係ないシーンで手も見えると思うので、少なくともファウルは現場で判断できたと思う。ただ、それがこぼれたのでVARは明白なレッドカードと言える場面で、湘南の選手がボールにチャレンジできると解釈できると思うので今村さんも見てレッドカードにして、それはフォローできると思う」と話していた。
佐藤寿人氏、勇人氏ともに「コンタクトがなければスプリントしてボールに追いつける。先にFWがボールに触ることができる」という見解を示していた。