なぜ補強費363億円が可能? アーセナル、「支出に強い立場」の理由を専門家が解説

アーセナルの今夏補強費に注目【写真:ロイター】
アーセナルの今夏補強費に注目【写真:ロイター】

英代表MFライスはクラブ史上最高額の191億円で獲得の見込み

 日本代表DF冨安健洋が所属するイングランド1部アーセナルは今夏も積極的に補強を行い、チーム強化を進めている。トップターゲットと定めていたイングランド代表MFデクラン・ライスら複数選手の獲得に費やす金額は2億ポンド(約363億円)を超えると見られている。

 アーセナルは今夏の移籍市場でまずチェルシーからドイツ代表MFカイ・ハフェルツを6500万ポンド(約118億円)で獲得。さらにウェストハムからライス、オランダの名門アヤックスからオランダ代表DFユリエン・ティンバーの獲得で合意し、まもなく発表される見通しだ。ライスの移籍金はクラブ史上最高額を更新する1億500万ポンド(約191億円)、ティンバーは3800万ポンド(約69億円)と伝えられている

 フットボール・ファイナンスの専門家であるキーラン・マグワイア氏は、英衛星放送「スカイ・スポーツ」で「アーセナルは支出に関して非常に強い立場にある。その理由は、彼らが選手の給料を上手く管理できているからだ」と“ガナーズ”の補強について言及している。

 マグワイア氏によれば、現在のアーセナルの年俸総額は2018年当時よりも低く、ライバルクラブであるリバプールやマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティと比較すると1億5000万ポンド(約272億円)から1億7000万ポンド(約301億円)も低いとされる。そのため、「より柔軟にあまり心配することなく市場に出て新しい選手を買うことができる」のだという。

 アーセナルは近年、元ドイツ代表MFメスト・エジルやガボン代表FWピエール=エメリク・オーバメヤンといった高額年俸を受け取っていたベテラン選手を放出し、20代前半の若手選手を中心としたチーム作りにシフトしてきた。昨季はプレミアリーグで王者マンチェスター・シティに次ぐ2位に入り、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権も獲得。ミケル・アルテタ監督の下で新陳代謝が進み、結果につながっている。

 マグワイア氏はこうした流れについて「彼らは常に財政を上手く管理してきた。こうした支出面の変化は、チームを再びUEFAチャンピオンズリーグの争いに導いたミケル・アルテタ監督へのご褒美だと思う」と語っていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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