ハリルJが見せた“2つの顔” ボール保持率「20%ダウン」が招いたサウジ戦後半の失速

カウンターアタックの割合も後半上昇

表1 

 まず目を引くのは、前半と後半でのポゼッション率の違いだ。前半53.7%とある程度支配していたものが、後半は34.7%と約20%もポゼッション率が落ちている。自陣で3分以上、相手陣内では2分弱、前半よりもボールを保持している時間が短くなった。そうなれば当然攻撃のパターンも変わってくる。

 セットプレーからの攻撃を除いたオープンプレーで比較すると、前半は42回の攻撃機会のうち36回が、組み立てからの攻撃を示すポゼッションアタックだった、カウンターアタックは6回、全体の14.3%だった。それが後半になると一変する。34.7%のポゼッション率でできることは、どうしても限定される。それがデータにも表れた形だ。後半は37回の攻撃機会に対して13回と、35.1%がカウンターアタックだった。じつに前半の2.5倍だ。

 攻撃パターンの頻度は変わったものの、シュート数は前半8本でそのうち枠内シュートが3本、後半は9本のうち枠内シュート4本と、ほぼ同数をシュートに結びつけていた。攻撃、特に得点に直結するシュートについてあえて問題点を指摘するなら、やはりその精度ということになる。

 シュート数を比較すると日本とサウジアラビアは17本対5本と3倍以上の差があった。しかし、枠内シュート数で比較すると7本対4本だ。ペナルティーエリア内でのシュート数及び枠内シュート数を見ると、日本は17本中14本がペナルティーエリア内でシュートを放っているにもかかわらず、枠内シュートは5本だけだ。一方のサウジアラビアは、5本中4本をペナルティーエリア内でシュートし、4本すべてが枠内シュートだった。データを見ると、サウジアラビアの攻撃のうちカウンターアタックはわずか6.3%だけだ。

 つまり日本は、じっくりとペナルティーエリアに侵入され、サウジアラビアに枠内シュートを許していたことになる。日本が17本のシュートのうち6本がブロックされていたのに対し、サウジアラビアのシュートへのブロックは1本だけだった。日本のシュートのタイミング、精度に加え、相手のポゼッションアタックに対するゴール前での対応も課題と言える。

 

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