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イングランドの至宝はリバプールを去るのか ジェラードの引き際
ジェラードに対する声援がブーイングへと変わる日が来るのか
さらに、遅すぎる引き際はジェラードに対するファンの良き思い出さえ汚してしまうと警告する。バーンズの最後がそうだったように、衰えがあまりにも明らかになってもプレーを続ければ、これまでのジェラードに対する声援がブーイングに変わる可能性もある。
しかし、トーマス記者がジェラードに華のある引退を促す記事を書いた背景には、昨季、最後まで優勝争いを演じた2位から、今季は13試合消化時点ですでに6敗を記録し、11位に沈むリバプールの大不振があるだろう。
その元凶は、なんといっても31ゴールを奪ったスアレスの穴が埋まっていないことにある。しかし今季のジェラードは中盤の底に沈むばかりで、往年の最前線への飛び込みは影を潜め、豪脚の右足から放たれるミドルの威力も半減した。
ロジャース監督は、「スティーブの選手としての居場所は常にある」と話して、表向きはジェラードを擁護するが、前節のストーク戦ではついに主将を先発から外した。
2001年9月1日、伝説となったドイツ戦アウェイ5‐1勝利の2点目を奪った瞬間から、ジェラードがイングランドとリバプールの中盤で惨然と輝きはじめた。
あれから13年。リバプール・サポーターが「40ヤードのパスを放つ、でかくて強いやつ」と歌うジェラードも選手としては黄昏の時を迎えた。
果たしてジェラードはリバプールとの契約を延長して、今後もトップレベルの戦いを続けるのか。もしくは限界を悟ってMLSへ向うのか。イングランドの至宝の将来は、今月中、本人のぎりぎりの決断によって明らかになろうとしている。
【了】
森昌利●文 text by Masatoshi Mori
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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