浦和スコルジャ監督、コーチ登壇のメディア対応の背景を説明 「我々の文化では一生懸命働いていることへの見返り」
攻撃面を担当するジャナスコーチが6月26日の会見を担当
浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は7月6日に定例のオンライン会見を実施。前回の会見をラファル・ジャナスコーチが担当した理由について「我々の文化では、彼らが一生懸命働いていることへの見返りとしてメディアと話す機会を与えている」と説明した。
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浦和では過密日程の際に変則化する場合はあるものの、原則的に週に1回ほどのペースでスコルジャ監督がオンラインで会見を行っている。ところが、6月26日のオンライン会見ではチームの攻撃面を担当するジャナスコーチが報道陣からの質問に応じた。時に会見にコーチを同席させて、質問の内容次第で回答を任せる監督を見ることはあったが、最初から最後まで監督以外の人物が会見を担当するのは非常に珍しいと言えるだろう。
スコルジャ監督は「会見は私にとっても素晴らしい時間で、みなさんに会いたくないとか、忙しいという理由ではないですよ」と話す。そして、「その前の会見で言っておけば良かったのかもしれないが」と、その理由を説明した。
「コーチングスタッフはたくさんの人々が忙しく働いてプロフェッショナルだが、顔を出すのは監督だけになってしまうもの。この素晴らしい仕事をしているスタッフをメディアやサポーターに紹介したいというところから、このような形を取っている。そして、以前にいたクラブでは夏や冬の最後の会見はスタッフ全員で行った。たくさんのコーチングスタッフがいろいろな仕事をしている。分析やフィジカル、あるいはセットプレー、攻撃、守備の担当など多くの人が仕事をしているので、それを紹介する意味でやっていた。そこで広報に、このやり方を浦和でもできないかというところで打診して、まずは攻撃担当のラファが会見に来た。今後も別のコーチが会見をすることができれば」
そして、スコルジャ監督は「チームからの声は1人だけ、監督からであり、ほかのスタッフはメディアと話してはいけないというスタンスも理解はできる」としつつも、「我々の文化では、彼らが一生懸命働いていることへの見返りとしてメディアと話す機会を与えている。それは私の持つ彼らへのリスペクトの1つです」と、自身のスタンスを話した。
移籍は「クラブと監督は一体になって行わないといけない」
現在は夏の登録ウインドーが迫り、各クラブの移籍に対する話題も増えている。スコルジャ監督は自身のスタンスについて「移籍に関して、クラブと監督は一体になって行わないといけない。クラブの今後に関しては(土田尚史)スポーツダイレクターやスタッフとも話す。監督として強く何かをプッシュすることはない。日々コミュニケーションを取っている。すべてはプロセスの中にある。急に今、このポジションに選手が必要というわけではなく、常にチームにこのポジションが必要ではないかという話をしている。Jリーグではどのチームも新しい選手を、浦和も必要としている。そしてクラブにとってベストな解決策を見つけようと仕事をしている人がたくさんいる」と、一方的なリクエストというよりも日頃からのコミュニケーションを大切にしていると話した。
スコルジャ監督は今季の浦和監督就任にあたり、ポーランドからジャナスコーチのほかに守備担当のヴォイテク・マコウスキコーチと、フィジカル担当のヴォイテク・イグナチュクコーチをコーチングスタッフに加えている。それに加えて池田伸康コーチらの日本人スタッフもチームを支えているが、そうした人物が記者会見の場に出てくることもあるかもしれない。それもまた、スコルジャ監督にとってのマネジメント手法だと言えそうだ
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)